Snowflakeは1月25日、2億6300万ドル(約286億円)を新たに調達したと発表した。今回の投資ラウンドはセコイア・キャピタルが主導し、既存出資元のICONIQやAltimeter Capitalも参加。Snowflakeの企業価値は15億ドル(約1634億円)になった。
「すべてのCEOがデータドリブンな事業を行う必要性を認識しているが、自社の体制に大幅な改善が必要だと感じている」とSnowflakeのCEOのBob Mugliaは言う。「多くの企業がビックデータの取り扱いに苦労している」
Snowflakeは2012年の創業以来、合計4億7300万ドル(約515億円)を調達してきた。2017年には160人だった従業員を現在は330人に増やしており、2019年の初めまでには600人を目標とする。今回初めて出資したセコイアのPat Gradyによると、Snowflakeが巨額の資金を調達できているのは売上が急速に伸びているからだ。
Snowflakeは大企業がデータを効率的に管理できるクラウドサービスを提供する。顧客は最初に数時間を掛けてデータをアップロードし、データ視覚化ツールのタブロー(Tableau)などのBIツール(BI=ビジネス・インテリジェンス)で分析する。料金は定額制か使った分だけ支払う方式を選べる。
会員制通販サイト「Rue La La」は長年、オラクルのシステムを利用してきたが、タブローなどのBIツールを使っても顧客データを十分に分析できなかった。その後、Snowflakeを利用するようになって、同社はより早く顧客のタッチポイントを分析し、リアルタイムでおすすめアイテムを表示できるようになった。
Snowflakeは3年連続で前年比3倍増の売上を記録しており、平均的な顧客が預けるデータ量はこの1年で4倍に跳ね上がっている。
長年マイクロソフトで幹部を務め2014年にSnowflakeに参加したMugliaは、同社のシステムはアマゾンやオラクル、マイクロソフトにも簡単には真似出来ないという。
「同等のシステムを実現するのは極めて難しい。リレーショナルデータベースをスクラッチから作れる人は世界に20人ほどしかいないだろうが、そのうち4~5人を弊社が雇っている」
同社の目標は、航空会社と部品メーカーがリアルタイムでデータを共有するなど、Snowflakeを通じて巨大企業同士を効率的に連携させることだ。「データは貴重なリソースなので誰にも触らせないというのがこれまでのやり方だった。Snowflakeはその垣根を取り払い、ビジネス社会に変革をもたらす」とMugliaは述べた。