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I write about the growing "industry" of social innovation.

Yulia Grigoryeva / shutterstock.com

ヨガとサーフィンの聖地と呼ばれるカリフォルニア州エンシニータス。そこに暮らしながら自然を愛し、ヨガとサーフィンの両方を楽しむブライアン・シールズにとって、環境法専門の弁護士は夢の職業のはずだった。行政による官僚的な仕事の進め方を目の当たりにするまでは。

「アメリカの環境規制が進むペースがあまりにも遅く、参ってしまった」とシールズは言う。政策の変化は期待できないと悟った彼は、ビジネスの世界に目を向け、弁護士から起業家に転身した。

「政治に対して最大の影響力を持つのは企業だ。消費者の購買決定を通して、企業は大きな変化を起こすことができる」

長年ヨガを実践するシールズは、ヨガマットが主に石油由来の化学物質でできていることに矛盾を感じていた。ヨガは本来、自然との一体化を目指す思想である。一方、サーファーが着るウェットスーツにも同じことが当てはまった。ウェットスーツの素材である合成ゴムのネオプレンも自然分解しない。

シールズはその二つを組み合わせることで、問題を解決できると考えた。そして、廃棄されたウェットスーツをヨガマットの材料として再利用する新しいサーキュラー・エコノミー(資源循環の効率化によって利益を生み出す経済システム)を作り出した。

「ヨガ市場に新たな選択肢を作りたかった。また、環境に負荷をかけない完全なクレイドル・トゥ・クレイドル型(Cradle-to-Cradle=ゆりかごからゆりかごまで。製造→使用→廃棄ではなく製造→使用→製造のサイクルを指す)のものづくりの実例を社会に示したいと思った」

2年もの間、マットの耐久性、滑りにくさ、軽さにこだわって開発を続けたシールズは、2016年初頭にクラウドファンディングサイトのキックスターターで3万ドル弱(約327万円)を資金調達。さらに自身の貯金もはたき、同年3月にSugaというブランド名を冠したヨガマットを発表した。

意識が高いヨガ愛好家にアピール

発砲素材でできたSugaのマットは、バクテリアや汗、床の埃などを吸収しないため、清潔に保ちやすい。他の市販のマットとの最大の違いは、その色だ。ネオンカラーのヨガマットが多い中、Sugaのマットは全体がニュートラルなチャコール色で、カラフルなリサイクル素材のかけらが透けて見える。

シールズによれば、米国製のSugaのマットは保護意識が高い層にヒットしており、購入者は作り手が「環境規制が弱い外国に製造拠点を置く多国籍企業ではなく、小規模で透明性が高く、真の意味でサステナブルな企業であること」を評価しているという。一説では、流通するヨガマットの98%は、台湾あるいは中国で再生不可能な合成樹脂を使って製造されていると言われる。

編集=海田恭子

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