ビジネス

2018.01.27

大企業が見落としていた「カカオのジュース」で起業した夫婦

Valentyn Volkov / shutterstock.com

世界中の大手チョコレートメーカーに長年カカオを供給してきたRob Weidnerは、カカオ産業の秘密を発見した。

カカオ農家の人々は、大手企業が全く注目しないカカオ豆のさやの中心にある白い部分を食べている。栄養価は高いが、豆とは違って通常は捨てられてしまう部分だ。

カカオ農家の人々はその白い部分から出る汁を吸いながら作業していた。エクアドルの農家と共に過ごしていたWeidnerが試してみると、甘くて魅力的な風味の虜になった。しかも、このジュースには健康志向のアメリカ人が好む抗酸化物質やフラバノールなどのポリフェノールが豊富に含まれている。

そこで妻のKaylaと共に「Repurposed Pod」を設立し、白い部分から抽出したカカオジュースを売ることにした。コールドプレスされたカカオジュースはウェブサイトから注文できるほか、米国の健康食品店でも購入できる。

Weidner夫妻は3年前、自己資金のみでビジネスを立ち上げた。エクアドルのカカオ農家と協力関係を結び、1万ヘクタール以上の農場から収穫されるカカオを使っている。

何年もの間チョコレート産業に関わってきたRobは、市場の不安定さとそれが農家に与える影響を十分に理解していた。

「カカオの価値は1年で半分にまで下がることもある。カカオからの収入だけに頼っている農家にとっては厳しい現実だ。そこで農家が負担を増やさずに収入を増やせる方法を考えた」とRobは語る。農家の人々はジュースの製造に参加することで収入を10%引き上げられたという。

「カカオ農家の収入が増えれば学校に通える子供たちが増え、食卓も豊かになり、より良い家にも住める。結果として社会により良いセーフティネットを提供できる」とRobは話した。

編集=上田裕資

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