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「次世代のリーダー」を考える

プロノバ 岡島悦子氏

不確実な時代をリードする人材にはどんな能力が求められているのだろうか。年間200人の経営者のリーダーシップ開発を手がけるプロノバ代表取締役社長の岡島悦子と、日本ラグビーフットボール協会コーチングディレクター兼チームボックス社長の中竹竜二が対談(第1回第2回)。

「ディシジョンメイキング」は修羅場の中で育てられる

中竹:スポーツの世界ではコーチングとは別に、TID(Talent Identification and Development)という才能発掘の分野があります。良い選手の発掘はコーチの仕事とはまた別です。選抜の指標が、今までと明らかに変化してきています。

これまでは、監督によって選手の選抜基準がバラバラで、監督が替わると基準が揺れ動くことが多かったように思います。普通に考えると、ラグビーでは「大きくて強くて早い」選手が有利で、その基準に合わないと、どんなに上手くても選ばれませんでした。ところが、ここ数年で「大きくても活躍できない選手はいる」「小さくても強い選手がいる」と認識が変わって来ています。

そこでいま私が重視しているのが、ディシジョンメイキング(意思決定)の能力です。ディシジョンメイキングは、可視化できない能力だったので、今までは選手選抜の条件に入っていなかったのです。

ディシジョンメイキングにはいくつか種類があって、ビジネスで言えば、例えば、時間をかけて議論する大きなディシジョンメイキングと、お客さんと商談している際に契約書を出すタイミングを判断する瞬時のディシジョンメイキング。この二つの能力は鍛え方が全然違うので、この両方に長けている人はあまりいません。

特に、大きなディシジョンメイキングの能力が重要です。なぜかというと、チームを動かすには場当たり的な判断だけでなく、先を見据えたストーリーをチームに組み込んで、共感性を持たせる必要があるからです。

岡島:私もビジネス領域でも、今こそ、高い視点・大きい粒度での「意思決定力」がリーダー選出の重要な判断軸となっていることを痛感しています。しかも、前回も話が出たように将来予測は不確実な中、複数のシナリオを提案し、その中から決断してやり切らなければなりませんからね。

ディシジョンメイキングの力は、Off-JTよりOJT、すなわち「研修」より「配置」によって鍛えられると私は考えています。では、どのように鍛えるのか。簡単にいうと、修羅場に送り込むんです。例えば、30歳前後の若者をM&Aした買収先や海外子会社のトップとして送り込む。こうした配置をするのは、意思決定の場数をたくさん踏ませたいからです。

正解などもちろんなく、どちらの選択肢を選んでも副作用はある、といった状況で、リスクをとってどちらかを選択しなければならない。しかも、意思決定したことをやりきるには人を動かさなければならない。合理と情理が対立するような中で、判断しきらなければならない。こうした状況で決断するという体験を、ひたすら積んでもらいます。

中竹:すごいですね。

文=岡島悦子 写真=小田駿一

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