「Porsche E-Performance賞」を受賞した民間宇宙企業

ポルシェ ジャパン代表取締役社長 七五三木敏幸(写真左)と、都市の夕景をプリントしたオリジナルのジャケットで登壇したALE代表取締役社長/CEO 岡島礼奈(写真右)

12月1日、フォーブス ジャパンは2017年で4回目となる「起業家ランキングBEST10」を発表。同日、パレスホテル東京において「JAPAN’S START-UP OF THE YEAR 2018」と銘打ったイベントを開催した。ポルシェ ジャパンからは「START-UP OF THE YEAR 2018 Porsche E-Performance賞」として、人工流れ星事業に取り組むベンチャー、ALEに特別賞が贈られた。


創業者であるフェリー・ポルシェ工学博士は言いました。“小型で軽量、そしてエネルギー効率に優れたスポーツカー。私は自らが理想とするこうした車を探したが、どこにも見つからなかった。だから自分で造ることにした”。本日お集まりのみなさんは自らの理想を掲げて起業された方ばかりですが、それは実はわたしどもポルシェも、同じようにスタートした企業だったのです」

2016年からこのアワードへ協賛しているポルシェ ジャパンの七五三木敏幸(しめぎとしゆき)は、受賞者たちに向けて「実は18年で70周年となるポルシェは、自動車業界では後発のベンチャーだったのです」とスピーチ。そして、「START-UP OF THE YEAR 2018 Porsche E-Performance賞」にALEを選んだ理由として、ポルシェの哲学との2つの共通点を見出したと話す。

「一つは、ALEさまの取り組みが確かな基礎科学にもとづいていること。ポルシェではレースで培った多くの技術を市販車へフィードバックしており、技術を重視する姿勢に共感を覚えました。そしてもう一つ、人工流れ星というエンターテインメントで人々に感動を与えること。人々に感動体験を持っていただくのはポルシェの大きなミッションであり、この点でも通じるものを感じました」

この七五三木の言葉を受け、ALE代表取締役社長/CEOの岡島礼奈は受賞の歓びと感謝を語るスピーチでこう話す。

「誰もが憧れる車であるポルシェ。確固たる技術を持ち、感動体験を与えるというポルシェさまがお持ちの哲学の観点から、ALEが大事にしている2つのコンセプト、“基礎科学の発展とビジネスを両立する大切さ”“感動の体験を分かち合う”この2点を評価していただけたことを大変嬉しく思っています。弊社では今後、地上でいろいろな愉しみ方ができるような事や体験を設計しているところですが、ALEという会社らしさを忘れずに頑張っていこうと思います」


会場には「ポルシェ パナメーラ4 S E−ハイブリッド スポーツツーリスモ」が展示された。七五三木の案内で車両の説明を受けた岡島が、目を輝かせて運転席に乗り込む一コマも。


ALE
人工衛星から人工流れ星を流す民間宇宙企業
ALEは、科学とエンターテインメントの両立を掲げた民間宇宙企業。夜空をキャンバスに見立て人工流れ星で演出する「Sky Canvas」事業の研究・開発に取り組んでいる。人工衛星を宇宙空間に打ち上げ、流れ星の粒を放出・大気圏に突入させることで、地上では直径200kmという範囲で、壮大なリアルエンターテインメント体験を創り出すことを目指す。世界に先駆けた、日本の技術者たちによる民間宇宙への挑戦でもあり、これまで遠く感じていた宇宙を人工流れ星によって身近に感じて欲しいという願いもこめている。



青山 鼓 = 文 寺内 暁、小田駿一 = 写真

この記事は 「Forbes JAPAN CxOの研究」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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