しかし、その後のわずか100日間でウーバーは200万マイルを達成した。ウーバーの担当者のEric Meyhoferはフォーブスの取材に「現在は週に8万4000マイルのペースで走行距離を伸ばしている」と述べた。
自動運転プロジェクトを手がける企業にとって走行距離は重要だが、様々なスキャンダル見舞われたウーバーにとって、200万マイルの達成は非常に喜ばしいことだろう。2017年の年明けからウーバーはカリフォルニア州の当局と規制の問題で対立し、2月には競合のウェイモから資料を盗み出したとして提訴された。その1ヶ月後にはアリゾナ州でウーバーの自動運転車両が、事故を起こして横転した。
さらに、5月にはウーバーの自動運転部門の代表者だったアンソニー・レバウンスキーがウェイモからの訴訟に関連して解雇された。
Meyhoferはフォーブスの取材にこう述べた。「あの時はチームが崩壊する寸前だった。しかし、現在は危機的状況を脱し次の目標に向かって前進を続けている」
ウーバーの自動運転プロジェクトは3年間で1500名の従業員を抱える規模に拡大し、ピッツバーグやサンフランシスコ、トロントにオフィスを構えている。そして、自動運転車両は200台以上に達しているという。
「スキャンダルから受けた打撃は大きかった」とMeyhoferは述べた。多くのスターエンジニアが会社を離れ、自身のスタートアップを立ち上げたという。創業者のトラビス・カラニックを失ったことも、求心力の低下を招いたという。
しかし、新CEOのダラ・コスロシャヒのもとで現在のウーバーは自動運転の未来に向かって邁進しているという。Meyhoferは今後さらに自動運転の距離を伸ばし、競合を追撃しようとしている。
ウェイモは先日、同社の自動運転車両の走行距離が公道上で400万マイルを突破したと発表した。最新の100万マイル達成に要した時間は6ヶ月だった。ウェイモはまた、2018年中にアリゾナ州フェニックスで自動運転車による配車サービスを開始する予定だ。
Meyhoferはウーバーが同様のサービスを開始する時期を明言しなかったが、現時点では自動運転の車両そのものよりも、自動運転車のネットワークを構築することに注力していると述べた。
「自動運転の実用化においては、コスト的観点からライドシェアリングのネットワークの整備が欠かせない」とMeyhoferは話した。