ライフスタイル

2017.12.23 15:00

ビジネスシーンで会話のきっかけになる「いい腕時計」とは

photographs by Kazuya Aoki illustration by Adam Cruft

photographs by Kazuya Aoki illustration by Adam Cruft

中村隆洋さんは、最近日本でも盛り上がりをみせる宇宙ビジネスに挑戦する、ポーラスター・スペースの代表取締役。領域は超小型衛星スペエクトルセンサーによるリモートセンシング。新事業のこと、愛機「ロイヤル オーク」について語ってもらった。


WEB全般を手掛けてきた中村さんが、新事業として取り組んでいるのが、“人工衛星のデータを利用する会社”である。しかもパートナーシップを結んだのが、北海道大学と東北大学だという。いったい、どんなことをやろうとしているのだろうか。

「当初は衛星を利用したデータ利用ビジネスを考えていましたが、北海道大学、東北大学と連携することで、人工衛星から作れる体制が整ったものですから、イチからやってみようということになりました」

とはいえ、人工衛星である。われわれの認識では、ぱっと思い浮かぶのが気象衛星「ひまわり」。とても大規模な事業なのだろうと想像してしまう。

「人工衛星はたくさん打ち上がっているんですよ。“ひまわり”のように国が主体となっている大きなものから、大学が打ち上げてる小型のものまで。小さな人工衛星では重量にして約50kgのものもあります。私たちが打ち上げるのも超小型衛星です」

では、それを使って何をするのか? 中村さんの会社では、その衛星を農業、漁業、そして防災に役立てようとしている。

「衛星にはセンサーが積まれていて、宇宙から広域を見ることができます。様々なセンサーにより「色」も見ることができるので、農作物の最適な収穫時期を色で見分けるんです。そのセンサーを介してタンパク質の分量などもわかる。そうすると、いますごく費用がかかっている化学肥料と農薬を軽減できたり、それによって収穫もアップする。そしてなにより、美味しくて安全なものを届けることが可能になるのです」

そんな素晴らしい事業に取り組む中村さんの愛機はオーデマ ピゲ「ロイヤル オーク」だ。シンプルなところが気に入って5年くらい前に購入したという。

「もともと三菱電機で人工衛星を作る側にいたので、メカが好きということもあります。機械式時計は、この小さな空間に宇宙があるような感じです。綺麗ですし、眺めているだけでもいいですね」

現在は、会社の代表としてスーツスタイルで忙しく飛び回る日々。スーツに合うのも魅力だとか。

「時計は好きで色々持っていますが、ビジネス時はロイヤル オークがしっくりきますね。欧州などに行くと“いい時計だね!”って声をかけられます。そこから“どんな仕事してるんだ?”とか時計メインで会話ができる。それだけでも信頼されてるブランドであること、いい腕時計であることを感じるんです。そういう良いイメージを人物にも投影してくれるのがいいですね」



AUDEMARS PIGUET / ROYAL OAK AUTOMATIC

イタリア市場からの要請がきっかけになって製作され、1972年に発表されたモデルである。後に数々の名作時計を生み出した奇才、ジェラルド・ジェンタの手によるデザインは、ケースとブレスレットが一体化しており、しかもベゼルは8角形。そして、そのベゼルには裏蓋まで貫通する8本のビスがむき出しになっている、という斬新なものだった。現在人気の“ラグジュアリー・スポーツ・ウォッチ”の元祖ともいえる腕時計である。

ムーブメント:自社製キャリバー3120 自動巻き
パワーリザーブ:約60時間
ケース素材:ステンレススチール
ケース径:41㎜
価格:1,800,000円
問い合わせ:オーデマ ピゲ ジャパン 03-6830-0000


中村隆洋◎ポーラスター・スペース代表取締役社長。1996年、防衛大学校航空宇宙工学科卒業後、青山学院大学理工学研究科にて博士前期課程を修了。99年、三菱電機エンジニアリングに入社。人工衛星開発に携わる。2002年情報サービス業MIT設立。17年ポーラスター・スペースを設立し、代表に。

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text by Ryoji Fukutome

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