1500万DL突破の任天堂「どうぶつの森」 収益面では苦戦か

Photo by David McNew/Getty Images

11月21日にリリースされた任天堂のアプリ「どうぶつの森 ポケットキャンプ」が、公開後1週間で1500万ダウンロードを突破したことが分かった。調査企業「Sensor Tower」が発表した。

「どうぶつの森」の初週のダウンロード数は、「ファイアーエムブレム ヒーローズ」の初週ダウンロード数700万ダウンロードの倍に達している。しかし、同期間の「スーパーマリオ ラン」の実績、3200万ダウンロードの半分に満たない数字だ。

また、ゲームの売上を見てみると別の側面が浮かんでくる。「スーパーマリオ ラン」は一部コンテンツのプレイが無料で、すべての機能を利用する場合は1200円の課金が必要だった。それに対し、「どうぶつの森」はゲーム内のアイテム購入や時間短縮が可能な「リーフチケット」を有料で買う仕組みだ。ただし、チケットはゲーム内のアクティビティで入手可能で、お金を払わずにまったり楽しむこともできる。

この違いはSensor Towerが発表した、2ゲームの売上ランキングの動向にも現れている。「どうぶつの森」は母国の日本ではiOSアプリの売上げランキングで最高5位を記録したものの、米国では現在72位となっている。その一方、「スーパーマリオ ラン」は公開翌日に米国で8位を記録していた。

筆者は以前から「どうぶつの森」の収益性に疑問を抱いていた。このゲームは実に素晴らしいゲームであり、モバイルで遊ぶのにはぴったりだ。しかし、リーフチケットの課金アイテムとしてのパワーは、「ファイアーエムブレム ヒーローズ」には及ばないだろう。

「どうぶつの森」は時間をかけてゆっくり遊ぶ内容で、ユーザーは家具やキャンプ場のアイテムを数時間もかけて手に入れて楽しんでいる。これは「クラッシュ・オブ・クラン」のようなゲームとは全く違うものなのだ。森の中にベンチを置くと、キツネたちが遊びにやってくる。一応のゴールはあるが、大急ぎで何かを達成しないといけないというものではない。

だからといって任天堂が「どうぶつの森」の仕様を改めるべきだと言うつもりは全くないが、収益性の面では以前の作品と比べ、やや物足りないものになることはほぼ確実と言えそうだ。

編集=上田裕資

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