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Pe3k / shutterstock.com

先日、旅行サイト「トリップアドバイザー」が宿泊客の注意喚起のレビューを、客の同意を得ずに削除していたことが明るみに出た。この問題を重く見た米連邦取引委員会(FTC)は、トリップアドバイザーに対し立入検査を行う構えだとの報道も出ている。

事の発端は11月1日の米メディア「ミルウォーキー・ジャーナル・センティネル」の報道だった。記事ではトリップアドバイザーの利用者らが、ホテル内でレイプや暴行等の被害を受けたと宿泊レビューに書いたところ、その書き込みが削除されたと伝えられた。これを受けてトリップアドバイザーは、書き込みの削除プロセスを見直し、被害が報告された宿のサイトに警告バッジを一定期間表示すると述べていた。

しかし、その後も同様な被害にあったと述べる利用者らが相次いで現れ、約30名がテキサス州の弁護士に連絡をとったという。メンバーの一人には家族がメキシコのホテルのプールで溺死した人物も居たという。これを受けてFTCはウィスコンシン州選出の上院議員、Tammy Baldwinに次のような書簡を送った。

「旅行サイトに掲載されるレビューは、宿の信頼性や安全性を知る上で非常に重要であり、事実に基づいた投稿が掲載されない場合、宿泊者の安全が損なわれる。FTCはこの問題に関し、強い懸念を抱いている」

これに対しBaldwinは「トリップアドバイザーが利益を重視するあまり、本来はオープンで率直なものであるべきユーザーフォーラムを操作している懸念がある」との意見を述べた。トリップアドバイザー側は「現時点ではFTCからの問い合わせは受けていない」とコメントを発表した。

この問題を報道した「USA Today」は、トリップアドバイザーの利用者らはネガティブなレビューが削除されていても、それを知る手段がないことを指摘した。さらに、サイト上のクリック広告に表示されているユーザーレビューは多くの場合、宿を魅力的に見せるためにキュレーションされたものだが、利用者の大半はそれに気づかないと述べている。

トリップアドバイザーの広報担当のBrian HoytはUSA Todayの取材に対し次のように述べた。「今後は社内の委員会の監査により、問題のある宿泊施設には警告バッジの表示を行う。しかし、ここで問題となるのはホテルのオーナーや従業員らの行動であって、客が起こした問題行動ではない」

さらにHoytはこう付け加えた。「つまり、(セクハラ疑惑の中心人物の)ハーヴェイ・ワインスタインが客室内で誰かを襲ったとしても、そのホテルに警告バッジを表示することはない。それは、ホテルがコントロールできる問題ではないのだ」

事態の先行きは依然、不透明なままだ。しかし、トリップアドバイザーの対応に対して少なくとも言えるのは、彼ら自身が自らの発言をコントロールすべきであること。また、利用者らが自由な意見を述べられる環境を、最優先する姿勢が必要であることだ。

編集=上田裕資

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