フォーブスは9月末、隔年で公表している「米国のビジネススクール・ランキング」を発表した。米国の経営大学院100校以上を2012年に卒業した世界各地の約1万7500人を対象にアンケートを実施。得られた回答から、各校でMBAを取得したことの「投資利益率(ROI)」に基づいた順位を明らかにした。
同じデータを基に今回改めて作成したのは、「学生の満足度」ランキングだ。約4400人の回答から、「コースの内容」と「卒業したことで新たな仕事に就く準備がどの程度できたか」に対する満足度を割り出した。どの程度準備ができたかについての満足度は、「他校のMBAコースと比較して」「今現在の仕事に就くにあたって」の2点を基準に答えてもらった。
その結果、最も満足度が高いのはスタンフォードGSBの卒業生たちであることが分かった。就職の準備がどの程度できたかについては1位、コース内容については2位だった。
スタンフォードGSBを卒業した人たちの就職先で多かったのは、アップルのほかコンサルティング会社のベイン・アンド・カンパニー、ボストン・コンサルティンググループ、マッキンゼー・アンド・カンパニー、投資会社のウォーバーグ・ピンカスなどだ。これらの企業で職を得た人たちの初任給は、基本給13万6000ドル(約1530万円、中央値)と入社時のサインボーナス2万5000ドル(約281万円、同)だった。
卒業生のある女性は、「スタンフォードGSBは私のようなベンチャーキャピタリストや、夫のような起業家が仕事をする上で非常に有用となる心の知能指数(EQ)を高めてくれたほか、スキルやネットワークを与えてくれた」と語っている。「教育におけるゴールではなく、生涯学び続けるということへのきっかけになった」という。
同校のほか、トップ5までに入ったのは次の各校だ。
2位:バージニア大学ダーデンビジネススクール
3位:ダートマス大学タック経営大学院
4位:ペンシルバニア大学ウォートン校経営大学院(ROIでは1位)
5位:ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院
スタンフォードGSBは、ROIに基づくランキングでは2位だった。サンフランシスコ湾岸地域の生活費の高さが影響していたと見られる。
満足度に関するランキングは、少なくとも30人からの回答を得た40校のスコアの平均によって決定した。卒業から5年がたった時点での評価による順位であり、学んだ経験を振り返っての考えや、仕事を通じて得た他校のMBAコースに関する情報に基づいての意見を反映している。