ビートルズやデヴィッド・ボウイ、ピンク・フロイドといったロックの古典は今もなお、多くの人々がレコードやCDで楽しんでいる。調査結果では52%の消費者が物理メディアを好むと回答しており、特に「デジタルネイティブ」と呼ばれる18-24歳の若い世代がこの動きを牽引している事実が明かされた。
この世代の約4分の1は本をSNSで友人に見せるために買うと回答した。また、3分の2近くが過去1年以内に本を購入しており、56%がDVDを買っていた。さらに、同じ期間に4人に1人がアナログレコードを購入していた。総じて言うと、この世代の83%が過去1年以内に物理メディアの購入経験を持っている。この比率は全年齢層を対象にした比率の76%を上回っている。
イーベイによると、ロックの古典の中で最も人気が高いのはビートルズやデヴィッド・ボウイ、ピンク・フロイドらだという。ビートルズでは特に「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」のリイシュー版のアナログ盤の人気が高い。デヴィッド・ボウイも、2016年の死去以降に特に人気が高まった。また、ピンク・フロイドのボックスセットは若い世代の理想のクリスマスプレゼントにあげられている。
調査対象の60%がCDを聴き、19%がアナログ盤レコードを聴いていることも分かった。調査対象の10人に1人は300冊以上の本を所有していると答えた。
この結果は先日、英国のスーパーマーケット「Sainsbury’s(セインズベリーズ)」がアナログ盤ブームに乗り、独自のレコードレーベルの立ち上げを宣言したことと考え合わせても、非常に興味深い。
イーベイは物理メディアの売上でアマゾンに対抗するため、独自のキュレーションストア「Entertainment Shop」を立ち上げ、書籍や映画、音楽やゲームの販売を強化した。1995年設立のイーベイは昨年、840億ドル(約9.6兆円)の流通総額を記録し、英国だけで2300万人の顧客を持っているという。
イーベイが物理メディアの売上増を目論むなかで、消費者らもレコードやCDといった旧来のメディアへの関心を高めている。デジタル特化の動き進めるアーティストたちにとっては、その戦略を見直すべき時が来たのかもしれない。