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I write about food & drink as a pleasurable activity and as a business

Africa Studio / shutterstock.com

そのコンセプトは、まるでサイエンスフィクションのようだ──。未来の農場は広大な土地ではなく、温度や湿度、光が調節されたシリンダーの中で、レタスやイチゴを栽培する。必要な土地も水も少なくて済む。

米カリフォルニア州を拠点とするプレンティ(Plenty)は11月上旬、ワシントン州シアトルの南にあるケントに面積およそ9300平方メートルの「垂直農場」を開設すると発表した。同社としては初の本格的な栽培施設となる。

プレンティはこの施設で、「自宅の裏庭で育てたような」野菜を無農薬で栽培。地元の消費者向けに販売する予定だ。農薬のほか、除草剤、合成肥料、遺伝子組み換え技術も使用せずに栽培する野菜や果物は、LED照明付きの施設内で、約6メートルの高さまで垂直に育てる。さらに、施設内に設置した多数の赤外線カメラとセンサーでデータを収集。分析を行い、栽培の最適化を図る。

プレンティによれば、同社の技術により、「従来の農法で使用される水の1%の量の水と、ごくわずかな割合の面積の土地で、最大350倍の収穫量を実現することが可能だ」。

すでに2億ドル超を調達

「絵に描いた餅」のように思える話かもしれない。だが、抜け目のない投資家らはすでに、同社に多額を出資している。自然食品スーパーマーケットチェーンのホールフーズ買収に140億ドル(約1兆5900億円)を注ぎ込んだアマゾンのジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)も、その一人だ。

プレンティは今年7月、シリーズBラウンドで2億ドルを調達した。出資者にはベゾスのほか、ソフトバンク・ビジョン・ファンドやアルファベットの会長エリックシュミットの投資ファンドであるイノベーション・エンデバーズ、DCMベンチャー、データ・コレクティブなどの複数のベンチャーキャピタルが名を連ねる。

大規模に商業化されているわけではないものの、水耕栽培はすでに行われている。プレンティによれば、「屋外で行われる地産地消型の有機栽培の利点と、収穫量の多い大規模農業の利点を併せ持つ水耕栽培は研究の結果、世界的に未来の農業になる可能性があると見られている」という。

一方、プレンティのCEOと共同創業者は米ITメディア、ギークワイヤのインタビューに対し、施設を設置する場所にシアトル近郊が最適だと考えた理由について、「地元産の農作物へのアクセスが比較的、不足している」こと、健康的な食品の需要が高い地域であることを挙げた。

だが、シアトルのピュージェット湾沿岸は、土壌が良質な地域として知られている。同CEOらの発言には、地元の専門家らが反発。フードライターの一人は、「ヤキマ・バレーは米国のフルーツ・バスケットとして知られてきた」と反論している。また、主に地元の農業を主題に活動している写真家は、同社と農家との話し合いの場を持ちたいと述べている。

編集=木内涼子

 

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