人付き合いで疲れないための3つの「予防策」

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ストレスは万病の元と言われる。2015年には、従業員50人以上の企業でストレスチェックシートの導入が義務付けられ、自分のストレスは自分で管理する時代となっている。そして、そのストレスを抱える原因は、仕事においては対人関係であることが多い。

私たちは、電源のスイッチを入れたり、切ったりするように人との関係をオンとオフに切り替えることはできない。しかし、ストレスを定量化して音量を調整するコントローラのようなものが自分についているとイメージすることはできるはずだ。

ダンボールに実験用のマウスを少しづつ足していくと、ストレスが溜まって凶暴になり、胃潰瘍になることが分かっている。同じように、人とのトラブルが多くなる原因は、互いに相手に近づきすぎていることが考えらえる。近くなると、相手なら自分のことを全部わかってもらっているという甘えが生まれる。親子が突然、仲違いするのはこのパターンだ。相手との適度な距離をとることは、互いの身のためになるということだ。

さて、それではどうしたらよいのだろう。ここでは、うまく人付き合いをする3つのコツを紹介しよう。

1. 先延ばしにしてみる

まずは、相手と会う「頻度」を少なくできないか考えてみたい。例えば、複数回にわたる熱心な営業を受けた際には、毎回断るのではなく、ずっと先に会う約束をしてしまう。一旦、相手の言うことを飲むということだ。

すると、その約束までの間は連絡を取らなくてよくなり、相手の熱も冷める。もし約束の間際にまたストレスが強ければ、しばらく時間が経って状況が変化したと断ってもよい。

2. 量で考える

会っている時間を量で考えると、「時間を短くする」ことも肝心だ。親しい友人でも、話し込んでいたら次の日に疲れている場合もある。あるいは、会っている時間は短いのに長く感じるときは、たいていどちらかが一方的に話しているからだ。

この場合は、自ら質問をして、話をいったん区切るといい。相手に長くしゃべらせているのは、自分にも責任があると考えるのだ。これをメールに応用すると、返信は相手の文量よりも少なく返すといいだろう。

3. 距離を見直す

毎日顏を合わせるような職場なら、「相手から遠い存在」になるのもストレスを溜めないためには大切だ。文字どおり、相手が自分の視界に入らないところに離れて座る。または視界を遮るものを置く。いざ相手と話すときには、パーソナルスペース(1.5メートル前後)に入らにように遠めに立つのも有効だ。

もし失礼にならない間柄であれば、話す際には相手の両目と顎で結ぶトライアングルゾーンを見ず、喉のあたりを見ながら話すようにする。これは相手の正面から60度くらいの位置に自分が立ち、少し首をかしげて相手を見れば違和感のない姿勢だ。

ストレスが大病につながる可能性は高い。その最初のきっかけは、ほんの些細なことからだんだんと広がってゆく。風邪をこじらせないように、小さな工夫をしながらこまめな予防をしておくと考えたい。

文=中井信之

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