年上の人と自然と会話を続けるコツ

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仕事でもプライベートでも、「自分より年上の人と話す際にどんな話しをしたらいいかわからない」という相談をよく受けます。

礼儀正しく、というのはもちろん必要な要素のひとつですが、それではなかなか会話が弾みません。相手に印象を残すには、「その人が今のあなたの年齢だった当時の話をきくといい」とアドバイスをしています。

さらにそのときに、自分の得意な分野をトピックにするのがポイントです。経済、スポーツ、音楽、ファッションなんでも、あなたがよく知っていることをネタにすると自然と会話が続きます。

また、それぞれの年代に合う“トーン”をおさえておくというのもコツです。そのトーンは、時代を反映するファッションから読み解くことができます。以下に、例えば40代、50代、60代の人と話す際には具体的にどんなトーンが好まれやすいかをご紹介しましょう。

「24時間、戦えますか?」の世代

いわゆる“アラサー”世代が仕事もプライベートも忙しく充実しているとして、現在60代~70代の方々のそれは、1980年代です。当時のファッションは1970年代のヒッピーカルチャーの影響を受けた国内のデザイナーが牽引しており、個性的で目立つものがトレンド。おしゃれな人は給与をつぎ込んででも、そういった服を手に入れていました。

その一方、仕事ではフリーランスよりも有名な大企業が憧れの的に。バブル期でもあり、1988年から使用された三共製薬・リゲインのCMコピー「24時間、戦えますか?」のごとく、世のビジネスパーソンは気合で頑張っていたのです。この世代の人と話すときは「絶対〜できます!」と言うような強気が好まれます。

本質主義の世代には……

50代にとってのその時代は1990年代。バブル景気が終わり、「無印良品」のような日常に即した実用性のあるリアルクローズが重視されました。しかしそれは単に“普通”に戻ったのではなく、普通の“賢さ”がクローズアップされていたのです。

見掛け倒しでないもの、透明性のあるものが流行ったこの世代の人と話すときは、「本質が知りたい」というような本質を求めるトーンがカギとなります。

2000年代、服は「部品」感覚に

40代の“アラサー”時代は2000年代です。ユニクロやZARAを筆頭にファストファションが流行りだした時期であり、2005年には、夏に仕事場でノーネクタイ・ノージャケットで過ごす「クールビズ」が環境省の一般公募によって選ばれました。服は生活を快適に過ごすための部品という感覚になり、動きやすい素材も多く開発された時代です。

カジュアル化が進み、値段は求めやすくなった一方で、「経済的な余裕がないからおしゃれは無視」という無頼は非常識とも見られるように。この世代との会話のキーワードは「実用的に考えると……」が適当です。

もちろん、年代だけで人の好みはくくれませんが、会話につまったときのために覚えておくと役立ちます。

文=中井信之

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