多くのアーティストや慈善家、ギャラリー経営者、アートコレクター、セレブリティが出席したこのチャリティーイベントは、芸術に多大な貢献を果たした先見の明を持つ人々の功績を称えるもの。
イベントの様子
今年の受賞者は、映画『グローリー/明日への行進』の監督であるエイヴァ・マリー・デュヴァーネイ、そしてピューリッツァー賞を受賞した作家のヒルトン・アルツ。デュバーネイには映画プロデューサーであり、次回作の「スター・ウォーズ エピソード9」の共同脚本執筆と監督を務めることが発表されているJ・J・エイブラムスから、そしてアルツにはアメリカの作家であるマギー・ネルソンからの賛辞が贈られた。
受賞スピーチで謝辞を述べるアルトン・エリス。
多くのハリウッドスターやセレブリティ、日本からも俳優の小栗旬、モデルで女優の山田優などが訪れる華やかなイベントに、なぜファッションブランドであるボッテガ・ヴェネタが5年続けて協賛しているのか。その理由は、新たなカルチャーやアイデアを生み出す人材育成についてのブランドの姿勢にある。
そもそも、イベントを開催しているハマー美術館は、UCLAの大学美術館という性格から、ただの美術館にとどまらず文化的なハブとしての役割を果たしている。具体的には、古典美術からコンテンポラリーアートに至るまで幅広いアーティストによる作品に焦点を当て、可能性を持つまだ無名のアーティストの活動をサポートすべく定期的な展覧会を積極的に開催。さらに、講演や朗読会、シンポジウムに上映会や音楽会など、年間300もの教育普及プログラムを無料で行っている。
このようにコミュニティーとの関係性を重要なものと位置づけ、地域に根ざすコミュニティーに貢献する教育方針は、実はボッテガ・ヴェネタの理念とも共通する。
ボッテガ・ヴェネタは、ブランドが生まれたイタリアのヴィチェンツァで今なおモノ作りを行っており、そこには職人技を継承するための学校も開設している。この学校という開かれた場には多様な人々が集まり、それは新たなカルチャーやアイデアを生み出す場としても機能する。この循環を繰り返すことで、次世代を担う人材を育成しようというのがボッテガ・ヴェネタのミッションだ。
こうした背景から、ファッションだけでなく芸術・文化への支援にさまざまな形で力を入れているボッテガ・ヴェネタは、ハマー美術館の運営方針に賛同。「ガラ・イン・ザ・ガーデン」への支援もそのひとつとして、継続的にスポンサーを努めているというわけだ。
映画プロデューサーのJ.J エイブラムスと、女優のダイアン・キートン。