カツヤマはフォーブス主催の「アンダー30サミット」に登壇し、投資業界の現状と既存の市場システムを変革することの意義について語った。
IEXが掲げるミッションは、「テクノロジーを用いて、個人投資家に公平な投資機会を提供すること」だ。IEXの取組みは投資信託会社や年金基金等の団体が支持しているが、HFTのトレーダーや既存の証券取引所からは反発を食らっている。
「公平な市場を作ろうとすると、これまで有利だったプレーヤーが抵抗してくる」とカツヤマは話す。彼は批判や抵抗があるからこそ、自分の取組みが正しいことを再認識できるという。「既存のシステムを破壊しようとするとき、彼らはあらゆる手段を使って排除しようとしてくる。それを感情的に捉えてしまうと、ミッションを遂行し続けることができない」とカツヤマは言う。
カツヤマによると、ウォールストリートで日常的に行われていることを一般の投資家が知ると、ショックを受けることが多いという。
「ウォールストリートの投資慣行は、個人投資家にとって信じられないことばかりだ」とカツヤマは言う。問題なのは、それらが多くの人に影響することだ。
「401kや個人の口座で年金を運用している人は、気が付いていようといなかろうと何かしらの影響を受けている。HFTがウォールストリートのトレーダーに有利に働いているということは、一般の投資家が知らぬ間に不利益を被っているということだ」とカツヤマは指摘する。
カツヤマは全ての投資家に均等な機会を提供することを目指し、意義のある規制緩和を推進していく。
「現在設けられている規制の多くは、一般の投資家に損害を与えている。プロの投資家らは規制を理解して有利な投資を行っている」と彼は言う。
「規制はビジネスチャンスを生む。ウォールストリートではスキャンダルが多発し、その度に規制が設けられる。すると、人々はロビー活動を行って規制を回避しようとし、行き過ぎた行動がまたスキャンダルを生む。最終的にはスキャンダルを起こした連中だけが残ることになる。なぜなら、彼らしか規制を回避する方法を知らないからだ」
カツヤマは現状の規制が適切ではないと指摘する。この状況を改善するために、彼らはロビー活動を推進していくという。
「個人投資家にとって良いことが何かを常に考えることが大切だ。規制の枠組みが変わるときには、それが大半の投資家にメリットをもたらすものであるどうかを、しっかり見極めることが重要だ」とカツヤマは話した。