アジア版ウーバーが自動運転に大型出資、シンガポールで導入へ

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Drive.aiはシリコンバレーで2年前に設立された若い企業ながら、自動運転分野の最注目企業の一つとなった。同社は9月7日に配車サービス大手の米リフトと提携を発表した。

そのDrive.aiがアジアでウーバーの最大の競合とされるGrabタクシーと提携し、自動運転テクノロジーをシンガポールに投入する。Drive.aiは先日、Grabらから1500万ドル(約17億円)の資金調達を実施した。同社の累計資金調達額はこれで7700万ドル(約87億円)に達した。

Drive.aiでCEOを務めるSameep Tandonはフォーブスの取材に次のように述べた。「シンガポールは今後のテクノロジーの進歩における重要拠点だ。人口密度も高く、成長が続くこの都市では政府も多大な支援を行い、自動運転の実現へ向けた動きが加速している」

シンガポールでDrive.aiはGrabの協力のもとで、政府や企業の車両向けに自動運転向けソフトやハードの導入を進めていく。

Drive.aiはスタンフォード大学の人工知能研究チームのメンバーが中心となり設立された企業だ。Drive.aiという名が示す通り、ディープラーニング等の人工知能(AI)技術を自動運転分野に投入し、企業や政府、ライドシェア車両での実用化を目指している。

自動運転分野ではウェイモやGMのクルーズ、フォードのArgo AI、ウーバー等の大手がしのぎを削っている。Drive.aiは比較的小規模な企業ながら、短期間で急速に勢力を増してきた。リフトとの提携により、Drive.aiは間もなくサンフランシスコのベイエリアの公道で自動運転のテストを開始する。

今年6月にはスタンフォード大学で人工知能の研究を率い、バイドゥやグーグルのAI部門を統括した“人工知能の権威”と呼ばれるアンドリュー・エンがDrive.aiの役員に加わった。エンの妻はDrive.aiの創業者で現社長のCarol Reileyだ。

Drive.aiの役員メンバーには、かつてGMが破産に直面した際に副会長を務めたSteve Girskyも加わっている。

シンガポールでGrabは既に別の自動運転企業ともパイロットプログラムの導入を進めている。マサチューセッツに本拠を置くnuTonomyだ。

Grabは東南アジア最大の配車サービス企業として、一日あたり300万件以上の配車を行っている。Grabは現在、アジアの112都市でサービスを展開し、同社のアプリは6000万台以上のデバイスにダウンロードされている。

編集=上田裕資

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