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A lifetime in the car business, first engineering, now communicating

ジェームズ・ダイソン卿(Photo by Jason Kempin/Getty Images)

ジェームズ・ダイソン卿は過去数十年にわたり、かなり「値段の高い」ハードウェアを生み出し、売ることで富を築いてきた。そして、それらの製品は掃除機からヘアドライヤーまで、ほとんどが「空気を動かす」ために設計されたものだ。

そのダイソンが9月26日、2020年までに電気自動車(EV)の製造を開始すると発表した。EV市場にはここわずか10年ほどの間に、大きなアイデアと夢を持った多くの企業が相次ぎ参入してきた。だが、そのうちの多くは、実際に製品を消費者に届けることなく姿を消している。

米テスラは新規参入した企業の中で、数少ない例外の一つだ。ただし、最初のモデルの発売から10年近くがたった今も、同社の先行きに懸念を示す向きは(少なくとも現時点では)、依然として多い。

テスラとの違い

高価格になるEVの製造・販売から多額の利益を上げることができていないテスラは当然ながら、事業を継続するために繰り返し、市場で資金を調達しなければならなかった。

ダイソンはそのテスラとは異なり、他社より高額の製品を販売することで、実際に利益を計上してきた。ダイソンの掃除機は大抵、他のブランドの製品の2~3倍、あるいはそれ以上の値段だ。それでも多くの消費者が、400ドル(約4万5000円)以上するダイソンの掃除機を買いたがる。

また、ダイソンはこれまでにEV開発に乗り出した他社の多くとも異なり、すでにその開発と製造にかかる費用について、現実的な見通しを立てているようだ。このプロジェクトには、およそ27億ドルを投じる計画だという。ただ、昨年の売上高が34億ドルに達した同社が実際に自己資金だけで新たな事業を推進することができるかどうかは、これらとはまた別の問題だ。

ダイソンはEV市場への参入を発表した際、開発中のEVが自社のその他の製品と同様、高額になることを認めている。最初に発売するモデルは、テスラの「モデル3」と同じように、大衆市場向けにはならないだろう。掃除機と同様に高級路線を行くとすれば、価格は7万5000~10万ドル(約746万円~1130万円)、またはそれ以上になると見られる。

ライバルはテスラよりトヨタ?

ダイソンには、自動車ほど複雑なものを手掛けた経験がなく、主要な市場の全てに規制上のハードルが無数に存在する状況を切り抜けてきた経験もない。そして、これらは小さな問題ではない。過去10年間にEVで業界の大物になることを目指してきた多くの企業の経験からも、それは見て取ることができる。完全自動運転の実現が予想される中で、状況はさらに複雑化していくだろう。

ダイソンが数年後までにEVを市場に投入することができたとしても、そのころにはすでに、同社とテスラに同じ価格帯のEVで挑む多数の競争相手が新たに登場していると考えられる。より手頃な価格のEVを提供するメーカーも増えているはずだ。

ダイソンに他の多くのブランドより有利な点があるとすれば、その一つは買収した米国のベンチャー企業、Sakti3(サクティスリー)が開発した「全固体電池」だ。ただ、この電池が実際に利点となるのは、ダイソンが量産体制を確立できた場合に限られる。全固体電池は安全性と寿命の長さの点で従来のバッテリーよりも優れているとされるが、これまでに量産を実現した企業はない。

さらに、そのダイソンの優位性も長くは続かない可能性がある。最近の報道が事実ならば、トヨタは2021年に、同様のバッテリー技術を採用したEVを発売する予定だ。来年1月にはデトロイトで開催される北米国際自動車ショーで、EVに関する計画を新たに発表するという。

編集=木内涼子

 

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