昨年の世界大学ランキングでは、米国が初めてトップの座を失った。そして今年も再び、米名門校がオックスフォードとケンブリッジの後塵を拝す結果となった。
だが、英国の成功は長く続かないかもしれない。英国の欧州連合(EU)離脱、通称「ブレグジット」によって高等教育機関の研究予算は大打撃を受ける恐れがあり、高等教育界でのリーダーとしての英国の地位が脅かされている。
英教育専門誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーションが5日に発表した世界大学ランキングでは、昨年初めて1位となったオックスフォード大学が今年も首位を保持した。昨年は、同ランキングの13年間の歴史で初めて米国以外の大学が1位となった年だった。
今年の2位は、オックスフォードの長年のライバルであるケンブリッジ大学で、昨年の4位から順位を上げた。米国の大学が上位2校に入らなかったのは同ランキング史上初めて。
その代わり、米大学2校が3位タイとなった。カリフォルニア工科大学とスタンフォード大学で、昨年の順位はそれぞれ2位と3位だった。
オックスフォードとケンブリッジが1位と2位になった理由の一つは、収入の増加だ。オックスフォードは24%、ケンブリッジは11%の増収となった一方、カリフォルニア工科大の収入は23%減、スタンフォードの収入は24%減となった。
しかし、EUからの研究資金の割合はケンブリッジで4分の1、オックスフォードでは5分の1に上り、英国のEU離脱後はこの資金源が干上がる可能性がある。英国の大学では今年、EUからの出願者数が学士課程ですでに5%減少しており、収入と専門性の両面で多大な損失を生んでいる。
今年のランキングではまた、極東の大学が引き続き台頭。シンガポール国立大学は22位で、欧米以外の地域でトップに立った。また、中国を代表する北京大学と清華大学は、オーストラリアとドイツの名門校であるメルボルン大学とルートビヒ・マクシミリアン大学ミュンヘン校を抜いた。
今年の世界大学ランキング上位校は以下の通り。(かっこ内は去年の順位)
1位(1)
オックスフォード大学(英国)
2位(4)
ケンブリッジ大学(英国)
3位(2)
カリフォルニア工科大学(米国)
3位(3)
スタンフォード大学(米国)
5位(5)
マサチューセッツ工科大学(米国)
6位(6)
ハーバード大学(米国)
7位(7)
プリンストン大学(米国)
8位(8)
インペリアル・カレッジ・ロンドン(英国)
9位(10)
シカゴ大学(米国)
10位(9)
チューリヒ工科大学(スイス)
10位(13)
ペンシルベニア大学(米国)