キャリア・教育

2017.09.02 10:00

偽りの自分を押し通すのをやめるべき理由

Jacob Lund / shutterstock

インターネット上には近頃、虚勢を張ることで成功をつかむ方法を伝授する記事があふれている。

例えば、自分を実際より賢く見せる方法、会議で自分をより重要な存在に見せる方法、本当はよく知らない話題についてあたかも知識があるかのように話す方法、「パワーポーズ」をとったり会議で大きな物理的空間を占有したりして威厳を示す方法──などだ。

だがこれには問題がある。虚勢を張るよりも、地道に努力してキャリア開発計画を立てる方が、キャリアの成功には近道なのだ。なぜなら、偽りの自分をみせる行為には、成功の方程式で最も重要な要素である「努力」が伴わないからだ。

私はキャリアコーチングでよく、心理学者アンジェラ・ダックワースが考え出した以下の2つの方程式を紹介する。

・才能 × 努力 = スキル
・スキル × 努力 = 成果

見栄を張ってばかりいると、そのスキルを習得するための努力を怠ることになる。つまり、キャリアにおいて自分自身を押さえ込んでしまっているのだ。

自分を実際より賢く見せるのではなく、大量の読み物を通じて知識を増やそう。自分が学びたいスキルについての本や記事を読み、TEDビデオを観て、そのスキルに長けた人を観察し、その分野での能力向上を支えてくれるメンターを見つけよう。

いかさま師になってはいけない。時間とエネルギーを投資し、その分野での真のエキスパートになろう。

自分を会議でより重要な存在に見せようとするのではなく、実際の行動を通じて周囲からの尊敬を勝ち取ろう。会議の場には定刻通り、あるいは早めに到着する。会議を開く時は、必ず明確な議題と目的を持つ。誰かの話をさえぎったり、自分だけ話し過ぎたりしないようにする。全員が意見を共有するよう促そう。

いかさま師になってはいけない。周囲から会議に来てほしい、あるいはプロジェクトリーダーになってほしいと思われるような、協調的コミュニケーションスキルを持つ人材になろう。

自分は何でも知っているかのように振る舞うのではなく、正直になろう。あらゆる知識を持っている人などいない。全てのことを知らなくてもよいのだ。誰かから受けた質問の答えが分からない時は、正直にこう伝えよう。「分からないので、可能な限り調べた上で、追って回答します」

いかさま師になってはいけない。自分の弱点に正直になろう。
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編集=遠藤宗生

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