いま外国人には、京都、奈良、東京以外では、伊勢、秋田、神奈川が大人気だそうだ。伊勢は2016年の伊勢志摩サミット効果もあるが、世界に名だたる真珠、伊勢神宮があり、1000万人の観光客のうち約10万人の外国人だそうだ。
秋田は、リチャード・ギア主演の映画「HACHI 約束の犬」のおかげで急浮上。秋田犬見たさに、ペット好きが世界中から集まっている。渋谷の忠犬ハチ公より、秋田小町のお嬢さん方よりも、Webもポスターもわんちゃんが登場するのがいまの時流だ。
神奈川は、葛飾北斎の名画が発端。有名な波向こうに富士山が見えるあの浮世絵の英語タイトルが「Kanagawa-oki」であるため、外国人はの浮世絵世界を見たくて神奈川県へ向かう。実際はデフォルメなので恐縮なのだが……。
こうした観光業と美容を結びつけているのが、新しいホテルに併設されるスパやアメニティ、ネイルサービスだったりする。外国人のヘアカラー需要も増えている。それに伴い美容関連ではクレーム対応もビジネスとして必要とされており、美容に特化した弁護士事務所やコンサル、クレーム対応保険もどんどん増えている。
日本の技術者は、自前の経営に加えて外国人対策や法律対策など、やりきれないくらいの仕事が待っている。それでも観光特需が上回ると予測されている。
外国でメイクも学んだ若手は、いま言語以上に外国人の肌に慣れているということで、ニーズが高まっていたりもする。また前述のリクルート美容総研によると、ネイルは「痛ネイル」と呼ばれる、アニメキャラやお寿司を描くネイルの需要が高い。もちろん和柄は必須である。
しかし、ネイルはAIが台頭するとなくなるビジネスの一つとも言われている。3Dプリンターのような機械が、簡単に手足のネイルを印刷さながら作ってくれるのだ。エステもすでに、痩身、脱毛、いろんなジャンルで機械が登場している。AIまでいかなくても、エステ関連に機械の導入はまだまだ増えそうだ。
美容の未来で考えると、伸びるのは外国人対応と機械対応ではないだろうか。一般的に機械や数字に弱いと言われる女性が多い業界なので、機械が使える女性スタッフの育成か、もしくは誰でも使える機械の需要が高くなるのではないかと思う。