私は先日ウーバーを利用したとき、運転手に失礼な振る舞いをしないよう心掛けた。誰に対してもそうするが、特にウーバーでは運転手がその顧客がどんな人物かを同僚に知らせることができるからだ。私の顧客としての評価は「ぶっきらぼうで避ける価値あり」(星1つ)になるかもしれないし、「思いやりがあり乗せる価値あり」(星5つ)になるかもしれない。
次の3業界では、ウーバーの取り組みを導入する意義があるだろう。
1. ホスピタリティー業界
<ホテルの清掃員>
どんなに不潔な部屋も日々掃除するホテルの清掃員は、世界で最も感謝されない職業ランキングに入ることは間違いない。
清掃員に評価されるのを知っていれば、部屋を豚小屋のように扱う人は減り、(チェックアウト時だけでなく)毎日5ドルのチップを残す人も増えるだろう。
清掃員をきちんと扱えば、顧客側にも大きな利益がある。ユーチューバーのジャージー・ジョーは5ドル札のチップを残したところ、清掃員が追加のアメニティーを残していったと紹介している。
<レストランの店員>
独身時代にある女性と初デートした時のこと。彼女は良い人にみえたが、店員に腹を立てた途端に邪悪な面を露呈した。
彼女は注文したピノ・ノワールがないと店員に言われると、「でもメニューにあるじゃない!」と怒り、相手を見下すように「いいわ。じゃあボルドーの赤を」と注文し直した。
その数分後に戻ってきた店員は、ボルドーもないと伝えた。彼女はそこで「なんだかモンティ・パイソンに出てくるチーズがないチーズ店みたい」と冗談を言い、笑って済ませることもできた。しかし彼女はそれが当然の権利であるかのごとく、さらに意地の悪い対応をした。
店員から評価されると知っていれば、彼女はこれほど失礼な態度を取らなかったのではないか。
2. 航空業界
<空港ゲート係員>
航空便が遅れているときに乗客の怒りをぶつけられるのは、何の責任もないゲート係員だ。仕事ぶりを褒められる回数は、八つ当たりされる回数の1万分の1ほどかもしれない。だが自分の行動には相応の結果が伴うと分かっていれば、顧客はゲート係員に怒りをぶつける前に考え直すかもしれない。
<客室乗務員>
注文の多いファーストクラス客に希望の機内食がなくなったことを伝えたり、飛行機を早く離陸させろと要求する乗客に対応したりしなければいけない客室乗務員は、まったくもって気の毒だ。
実は乗務員は、飛行機が離陸するまでの時間は無給で働いているが、当然のように高い要求を繰り返す客にとってそんなことはどうでも良いのだろうか? 後で自分が最悪の評価をもらうかもしれないと分かっていれば、そんな乗客も乗務員に敬意を払うようになるかもしれない。