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国際モータージャーナリスト「ライオンのひと吠え」

FIA認定フォーミュラ4のドライバー、Jujuこと野田樹潤(11歳)。

日本には今、天才ティーンエイジャー旋風が吹いている。29連勝した将棋四段の藤井聡太(14歳)、サッカーの久保建英(16)や中井卓大(14)、卓球の張本智和(13)、フィギュアスケートの本田真凛(16)などなど……。

そして、モータースポーツの世界で注目を集めているのが、11歳の天才少女、Jujuこと野田樹潤(じゅじゅ)。世界で初めてFIA認定フォーミュラ4(F4)のドライバーとなった小学生であり、日本では最年少でスポンサー契約(ミキハウス)を結んでいるプロフェッショナル・レーサーだ。

小学6年生のJujuは、「日本人初の女性F1レーサーになって、F1で優勝することが夢」と断言する。 世界初の女性F1勝者をめざす彼女を、モータースポーツ・ジャーナリストたちも「世紀の逸材」と認める。

まだ16歳になっていないため公式レースに参戦することはできないが、今年4月、岡山国際サーキットで行われたF4・U17で、いきなり優勝を果たした。彼女にとってこれがF4デビュー戦だったが、それまでのコースレコードより約1秒速い1分32秒8という見事な記録を叩きだしている。

なぜJujuはそんなに速いのか。実は、彼女の父親は元F1ドライバーの野田英樹。インディーカーにも出場した父に憧れて3歳でカートを始めると、天賦の才能がすぐに目を覚ました。野田は、自身が主催するNODAレーシング・アカデミーでも抜きん出た生徒だと娘を評価する。

「娘にはレースに必要な微妙なポイントを教えようと思っていますが、どうも生まれつきそういう勘を持っている。正直言って、私よりずっと才能があります」と笑う。

「レーシングカーの限界とタイヤのグリップ限界を感じ取る能力は、レーサーには欠かせません。でも、それは教えられるものではない。彼女はその才を持って生まれたきたんです。マシンの限界になると、それを感じて冷静に抑えられる」

岡山サーキットで直線を時速240kmで走行し、コーナーに入る直前に急ブレーキをかけると頭と首にものすごい制動エネルギーがかかる。体重30キロに満たない彼女のからだは、上向き4G(体重の4倍)のフォースに耐えなくてはならない。

過去には高校生の女子レーサーでさえ、コーナーでハンドルを切る筋力やスタミナが足りなくて悲鳴をあげたというが、Jujuにはそれができる。それどころか、そういう運転を数時間した後でも子供らしい遊びに興じるエネルギーが残っていると言う。3歳でゴーカートを初めて以来、出場するあらゆるカートレースで勝ち続けてきた彼女のボディは、それに適応しているのだ。

だから、F4に誘われた時も、なんのためらいもなかった。最近のF4・U17レースでも、自分より年上の二人を破っている。父の目標は、そんな彼女を年内にF3レースカーに座らせることだ。

母のマサエさんも、今がF3にステップ・アップするタイミングだと理解している。F3はスピードもより速く、より大きなGがかかるため、「ムキムキの少女になって欲しくはないですが、強さとスタミナを蓄えるためにレベルの高いトレーニングが必要になってきますね」と気遣う。

そんなJujuは今、カナダ人ランス・ストロール(18)に注目している。 6月25日のF1アゼルバイジャンGPで表彰台に上がった最年少のレーサーで、ウィリアムスF1チームのドライバーだ。彼もゴーカートから始めて、F4、F3チャンピオンシップを経て、F1のシートを獲得した。ストロールの経歴こそ、彼女がこれから目指そうとしているものだ。

野田親娘は、16歳になったら公式レースに参戦することも見据えている。また、18歳になったらF1への足がかりとして「スーパー・ライセンス」を獲得しなくてはならない。彼女に並外れたスピードがあり、父の指導と好意的なスポンサーがついていたとしても、F1に参戦するチームを見つけ、シートを獲得するという道は間違いなく厳しい。

それでも父は言う。「たとえ負けても、決して諦めない」。それは、Jujuの信念だ。

文=ピーター・ライオン 写真=野田レーシングアカデミー

 

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