349ドルという価格はグーグルホームの129ドルの2倍以上。アマゾンエコーの180ドルと比較してもかなり強気の価格設定と言える。HomePodは競合には無い「音質へのこだわり」を売りにするが、それだけで消費者を納得させられるかどうかは未知数だ。
音声アシスタント機能、Siriを2011年に投入したアップルはこの分野のパイオニアとなったが、スマートスピーカーの開発戦線においてはアマゾンエコーやグーグルホームに遅れをとる形になっていた。後発のアップルが競合に対しどのような差別化を行うかに注目が高まっていた。
アップルのHomePodはSiriの音声アシスタント機能を用い、「Hey, Siri」の音声コマンドで操作を開始する。内部には6つのマイクが搭載されている(アマゾンエコーの内蔵マイクは7つ。グーグルホームは2つ)。
ユーザーは音声コマンドを通じたニュースの読み上げやポッドキャストの再生、リマインドの設定等が可能で、HomeKit経由でサードパーティのデバイスの操作も可能だ。HomePodは家庭の照明やサーモスタット機器等のコントロールのハブとしても機能する。
しかし、これらの機能はアマゾンやグーグルのスマートスピーカーとさほど変わらない。HomePodの最大の差別化要因となるのがサウンドのクオリティだ。
部屋に応じ最適なサウンドを再生
HomePodのスピーカーには指向性を備えた7つのツイーターや4インチのウーファーが装備され、室内空間を認識して音質を自動調整する。音質の調整を担うのはアップルが2016年のiPhone 6以降の製品に投入したA8チップで、リアルタイムで音響特性を分析し、最適な音響モデリングを行うことが可能だ。
アップルのマーケティング担当のPhil Schillerは「この製品は最も優れた頭脳を搭載したスピーカー製品と言える」と説明した。
SchillerによるとHomePodはアップルミュージックのストリーミングと緊密に連携するという。楽曲の再生を頼めるだけでなく「このドラムを叩いているのは誰?」といった質問にも答えられる。さらにユーザーは「これと似た曲をもっと再生して」といったリクエストを行うことも可能だ。
ここで気になるのは HomePodがスポティファイのような他社のストリーミングサービスにも対応するのかという点だが、これに対しては何も述べられなかった。