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カリスマファンドマネージャー「投資の作法」

Photo by David Mareuil/Anadolu Agency/Getty Images

東京の丸の内や大手町は日本を代表するビジネス街である。それらを含む千代田区・中央区にどのくらいの数の上場企業があるだろうか。

答えは「599社」。日本全体の上場企業は約3600社なので、なんとたった2つの区の中に全体の17%もの上場企業が存在している。それも、日本を代表する会社ばかり。多くの人は、これらの企業が地方の企業を陵駕しているイメージを持っている。

この599社は皇居周辺の会社なので、仮に「帝都銘柄」と名づけてみよう。この帝都銘柄とそれ以外の上場企業(非帝都銘柄)を比較して、株価はどちらが上回っているだろうか? やはり、帝都銘柄>非帝都銘柄なのだろうか。2016年12月末を基準に3年間と10年間の株価騰落(大和証券の協力を得て、構成銘柄を時価総額ベースで指数化)を比較してみる。

<3年間>
帝都銘柄・・・25%
非帝都銘柄・・・36%

<10年間>
帝都銘柄・・・16%
非帝都銘柄・・・29%

じつは、3年間・10年間ともパフォーマンスは非帝都銘柄が上回る。正解は、「非帝都銘柄>帝都銘柄」だった。もちろん、千代田区・中央区に本社のある会社はダメというのは早計だ。約600社の中には非常に成功した会社もそうでない会社もある。

しかしながら、全体として見ると、非帝都銘柄に大きく負けている。それでは、日本を代表する大企業30社で構成する「TOPIX Core30」と非帝都銘柄を比較したらどうなるだろうか? ちなみにTOPIX Core30の構成銘柄は、以下の通りである。

日本たばこ産業(JT)、セブン&アイ・ホールディングス、信越化学工業、武田薬品工業、アステラス製薬、日立製作所、パナソニック、ソニー、キーエンス、デンソー、ファナック、村田製作所、日産自動車、トヨタ自動車、ホンダ、キヤノン、三井物産、三菱商事、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループ、東京海上ホールディングス、三井不動産、三菱地所、JR東日本、JR東海、日本電信電話(NTT)、KDDI、NTTドコモ、ソフトバンク(16年10月31日現在、証券コード順)

どうだろう。日本を代表するだけに素晴らしい会社ばかり。就職人気ランキングの上位企業が並んでいてキラキラしている。ところが、TOPIX Core30のパフォーマンスを見てみると、次の通りである。

<3年間>
TOPIX CORE30・・・-16%
非帝都銘柄・・・36%

<10年間>
TOPIX CORE30・・・-32%
非帝都銘柄・・・29%

なんと日本を代表する企業群の成績はすごく悪かった。そして、この株価の成績が世の中の日本株に対するイメージなのではないだろうか?日本全体ではそこそこの株価リターンで、特に「千代田区・中央区」の2区を除くと、とても優良なリターンになっている。ところが、日本を代表する会社群が大きく足を引っ張っていた。

もちろん、会社の価値は株価だけではない。とはいえ、株価は重要な要素である。

日本全体の株価の低調は劣化が目立つ大企業が先導しているのが、それがよく認識されていないので、日本企業はダメだ→おそらく地方の会社や小さい会社もダメだろう→大きな会社に就職や投資をすれば安心だ—ということになり、大企業にお金や人材が吸い込まれている。これはおかしなことだと思う。

文=藤野英人

 

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