日産、運転中の「ながらスマホ」を撲滅へ 電波遮断BOXを搭載

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運転中のスマホ操作は、人々を危険にさらす愚かな行為だ。スマホを使いたいのであれば車を停止し、運転中は日産が開発した特殊なボックスに収納しておくべきだ。通称「シグナルシールド」と呼ばれるこのデバイスは、スマホの電波を完全に遮断する。

米運輸省道路交通安全局によると、米国での運転中の「ながらスマホ」による死者数は約4000人、負傷者数は39万1000人に達したという。スマホの使用は、視線が道路から完全に外れるため「ながら運転」の中でも最も悪質だと言える。音声入力機能を利用したとしても、画面を確認するときに事故が発生しやすい。米国では、大半の州で運転中の「ながらスマホ」を禁止しているが、それでも事故は後を絶たない。

シグナルシールドにスマホを入れると、緊急の電話に出られなかったり、Bluetoothで車とスマホを接続して音楽を聴くことができなくなるが、交通事故のリスクは大幅に低減する。メッセージのやり取りに熱中するドライバーが多いため、シグナルシールドのようにスマホを強制的に使用できなくするデバイスを車に装備することは、車メーカーとして重要な取組みだ。

「我々は、ドライバーの安全性を高める方法を常に模索しています。運転中の〝ながらスマホ″は、自動車業界のみならず、社会全体にとって大きな問題となっています。アプリの通知音が鳴ると、ついついスマホに手が伸びてしまうドライバーが大勢います。日産のシグナルシールドは、運転中のながらスマホを撲滅するための簡単で有効なソリューションです」と日産のマネージングディレクター、Alex Smith は公式声明の中で述べている。

シグナルシールドはまだ開発中で、今後日産ジュークに搭載される予定だ。シグナルシールドにスマホを入れていても、USBケーブルなどを使って車と接続し、音楽を聴くことができるという。また、センターコンソールを開ければ、再び電波を受信することができる。シグナルシールドの開発は難しくないため、他メーカーの車でも導入されることが期待される。

日産ジュークは、英国のサンダーランド工場で生産されていることもあり、イギリス王立自動車クラブ(RAC)が公式サイトでシグナルシールドについていち早く紹介した。RAC の広報担当であるPete Williamsによると、英国では2003年から運転中の「ながらスマホ」が法律で禁止されているにも関わらず、スマホを片手に持ちながら運転をするドライバーの数が急増しているという。

「日産のシグナルシールドは、車内をモバイルフリーにするための簡単で賢い解決策だ。我々は、ながらスマホを撲滅するために、www.bephonesmart.ukというサイトを立ち上げた。このサイトでは、ドライバーが家族や友人に対して〝ながらスマホ″をしないと宣言することができる」とWilliamsは述べている。

AT&Tも「It Can Wait」キャンペーンを展開しており、ドライバーが「ながらスマホ」をしないと誓約するサイトを立ち上げている。

編集=上田裕資

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