先進国女性はなぜ出世欲がないのか

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筆者:女性は年齢が上がるほど職場で課題に直面するため、上昇志向も弱まります。構造的・社会的に大きな問題を克服しなければならないことは明らかですが、女性の機会を増やすにはどのような方法が最も建設的だと思いますか? 世界各国の多数の企業と働いてきた経験からお聞かせください。

ソレダド:やるべきことがまだ多くあるとの認識が必要です。何世代にもわたり差別を受けてきた女性は、男性より経験値の蓄えが少ないです。男性も参加し、多様性の推進は万人に恩恵をもたらすと考えてもらう必要があります。能力開発を進め、自分とは違う人を信じることが必要です。人は自分と似た背景の人と一緒に働いた方がより多くを達成できると思いがちです。男性が先天的な偏見を克服するには、女性との間に非常に多くの共通点を見出す必要があります。そのため男女が協力し、女性にとっての転機を作り出すことがとても重要です。

この実現のため、組織にもいくつかできることがあります。人材開発面では、潜在能力の高い多様な女性を特定し、機能的な一連のスキルを育成するための機会を与えるようにします。こうした女性がライン管理職を超えたスキルを磨けるよう、ジョブローテーションを優先事項とします。役員レベルになるためのリーダーシップ能力を向上させ、リーダーシップの厳しい試練を体験する機会提供のため、専用のスポンサープログラムを作ります。また後継者育成計画を策定し、より多様性にあふれた人材を後継者候補として確保します。

筆者:40か国で「リーダーと娘」の公開討論会を開催した中で、印象に残ったエピソードや、各国に共通していたテーマはありましたか?

ソレダド:共通していたテーマは、スポンサー(支援者)とメンター(相談役)の両方が必要だということです。スポンサーは機会の確保のために必要。一方のメンターは、女性に自信を持たせて、前向きに次の段階に進んでもらうために必要です。私たちはスポンサーが必要なことは知っていますが、それだけではなく相互に助け合う必要性も認識しなければなりません。

編集=遠藤宗生

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