1950年に米マサチューセッツ州クインシーに一号店をオープンした同社は、当初は一店舗だけで営業していた。創業者のウイリアム・ローゼンバーグは、質の高いコーヒーとドーナツを手頃な価格で、素早くフレンドリーなサービスと共に提供することを目指していた。
そして、それから67年がたった現在、ダンキンドーナツは当時と同じ目標を掲げ、世界45か国に1万2000店舗以上を展開している。多くのものを創業当時のままに維持しながら、同社はブランドの「レレバンス」(消費者が自分に合っていると思うこと、関連性を感じること)を保つために必要な変化を認識し、対応してきた。
変化に対応
過去5~10年の間には、デジタル、モバイル、ロイヤルティーの3つの点に大幅な変化が見られた。業界にもたらされた大きな変化に対応するため、ダンキンドーナツはモバイルとデジタルの関連技術のイノベーションを継続。その一方で、自社の成長と他のコーヒーショップやクイックサービスレストラン(QSR)との差別化に欠かせないロイヤルティー・プログラムと個別対応のマーケティングを重視してきた。
ブランドマーケティング・グローバル消費者インサイト・製品開発担当の上級副社長は、コーヒーショップ間の激しい競争の中で、ダンキンドーナツの主要な戦略的な柱であり、他社との差別化を実現いているのはロイヤルティー・プログラムの「DDパークス・リワーズ」だと語る。また、2016年に導入した「オン・ザ・ゴー注文(On-the-Go Ordering)」は、創業以来、同社に最大の変化をもたらした取り組みだったという。
同社はアプリを通じて利用可能な「DDパークス」と「オン・ザ・ゴー」によって、顧客に新たなレベルの利便性とスピードを提供している。さらに、これらは同社にも、顧客の消費行動をより深く理解するための機会を提供している。