ジェーバーは先週行われたインタビューの中で、プライベートエクイティのTPGが主導したラウンドで4,500万ドル(約46億円)を調達したと述べた。評価額については明らかになっていない。現状、フィルズコーヒーはサンフランシスコのベイエリアを中心に店舗展開をしているが、今回調達した資金を使って2017年までにボストンにも進出する予定だという。同社は今年初めに東海岸では初めてとなる店舗をワシントンD.C.にオープンしている。
「企業を成長させ、設定したマイルストーンに到達するためには、資金力と優秀な人材が不可欠だ。我々は常に将来を見据え、建設的パラノイアであり続ける」とジェーバーは述べている。
シリコンバレーでは、コーヒーショップも他のスタートアップ同様にベンチャーキャピタルやプライベートエクイティから成長資金を調達することが珍しくない。オークランドに本拠を置く「ブルーボトルコーヒー」は2015年の初めに調達した7,500万ドルを含め、これまでに総額1億2,000万ドルを調達している。もう少し規模の小さい「サイトグラスコーヒー(Sightglass Coffee)」には、ツイッターのジャック・ドーシーが出資している。
フィルズコーヒーは、2002年にサンフランシスコのミッション地区で営業をスタートした。創業以来、15年間で総額7,500万ドルを調達し、今では34店舗を運営している。ジェーバーと彼の父親で創業者のフィルは、2017年中に全米4都市で50店舗まで増やすことを目標としている。
取締役には元アップル幹部も
「5月にTPGと面談するまでは新たに資金を調達する計画はなかった」とジェーバーは述べ、TPGに熱心に口説かれて成長を加速させることを決意したという。TPGのオフィスの外ではフィルズコーヒーのトラックが営業しており、TPGのパートナーたちは長年の常連客だった。TPGのパートナーであるサンジェイ・バンカーとジム・クールターは、フィルズコーヒーの取締役を務める元アップル幹部のロン・ジョンソンからジェーバー親子を紹介され、ひと夏で100時間もジェイコブと面談してフィルズコーヒーの事業について理解を深め、出資を決断したという。今回の出資を機に二人はフィルズコーヒーの取締役に就任した。