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I write about the intersection of retail and consumer trends.

Alliance / shutterstock.com

筆者は先日、通信大手ベライゾンの店で見つけたケイト・スペードの携帯カバーに一目ぼれした。

一緒にいた若い店員も、そのカバーの斬新なデザインを気に入っていた。だが彼女は、デザイナーの名前がばっちり入っているのが気に入らないと言っていた。ロゴがあることで、携帯電話が自分ではなくデザイナーに重点を置いたものになってしまうと-。

消費者自身がブランド

今は誰もがフェイスブックやインスタグラムで私生活を公開し、個人がブランド化している時代だ。インターネット上には、あらゆる好みやスタイルに合わせた買い物の選択肢が提供されている。そこには、「見られたい」「目立ちたい」「センスを認められたい」という欲求があるのだ。

その結果、これまで通用していた月並みな小売形態は、もはや通用しなくなった。小売各社にとっては、データが買い物客の動向を知る一番の手段となり、マーケティングは“大勢”を対象にしたものから“個人”を対象にしたものへと移行。そしてそれが、マス・カスタマイゼーション(柔軟な商品展開)のためのカギとなっている。

そのことを各社とも認識しており、例えばスターバックスのリザーブロースタリー(コーヒーの焙煎をその場で行うコンセプトストア)では、顧客データを基に「厳選された」「少量の」コーヒーを1か月当たり19ドル(約2,180円)で販売するビジネスを展開している。

ファッションブランド、レベッカミンコフのマンハッタンにある店では、試着室の中にデジタルミラーを設置。顧客一人ひとりに合わせてカスタマイズしたスタイリングの提案が表示される。

小売業界に大きな変革をもたらしたアマゾンも現在、データ分析に重点を置いてシアトルにある実店舗の改良に取り組んでいる。

サービスのカスタマイズ化が投資利益率を高めることが分かっている。IT大手インフォシスが実施した調査によれば、消費者向けにカスタマイズしたサービスを提供している小売業者の74%で売上が増加。61%で収益が増加し、半数以上で顧客ロイヤリティが向上した。

大々的にロゴを売りにしているアバクロンビー&フィッチやコーチなどの各社がこの数年、程度の差こそあれ低迷している理由もそこにある。主役はブランドではない。消費者なのだ。

そして最近読んだある記事によれば、人々はSNSでセルフィーや食事の写真、休暇先での出来事などを公開しているにもかかわらず、“最近買ったもの”を投稿することは滅多にないという。なぜなら、SNS上では、昨日買ったブランドバッグではなく、人々自身が究極のブランドだからだ。

小売側が“個人”を利用

一方で、個人がブランド化しているからこそ、小売各社によるプロモーションにおいて“ユーザー発”のコンテンツがより大きな役割を果たすようになっている。例えばロレアル傘下のプチプラコスメブランド、NYXコスメティックスではプロのモデルではなく「ビューティーファン」と称するオンラインコミュニティーやブロガーに焦点を当てて商品の販売促進を行っている。

筆者は結局、水玉模様のケイト・スペードの携帯カバーを購入した。だがやはり、ロゴがもっと小さければ、あるいはロゴがついていなかったら良かったのにと思っている。

編集=森 美歩

 

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