インフルエンサーマーケティングはテレビ広告とは異なり、インスタグラムのフィードをスクロールする人々が広告の存在にすぐには気づかない。インフルエンサーはこうした広告で、自分の「声」を失うことなく、商品やブランドを売り込んでいる。
オンライン消費者の47%が広告ブロック機能を使っているとされる今、ブランドや企業にとってインフルエンサーの重要性はますます高まっている。企業は、人々の注目を保持できるインフルエンサーに商品の広告塔となってもらうべく、大金を支払い続けているのだ。
このトレンドは、ファッションやスポーツ、エンターテインメントといったメインストリームかつ大衆的な市場に留まらない。バスフィッシングからホットヨガ、スピリチュアリティーまで、インフルエンサーはあらゆる市場に存在している。
だが「インフルエンサーマーケティング」は始まりにすぎなく、実際に起きているのは、より広い意味での変化だ。
その変化とは、「パーソナルブランディング(自分のブランド化)」を活用する人が増えていることだ。パーソナルブランドがある人は、自身のオーディエンスを持ち、特定の世界での思想的リーダーとみなされる存在であり、他の誰も持たない「人々の注目」を持っている。
今の世には、自分が持つ価値を理解し始めたインフルエンサーがかつてなく増えている。5年前であれば、10代の子どもがインスタグラムで100万人のフォロワーを獲得するなど、到底考えられなかった。だがそうしたティーンエージャーたちは今や、大手ブランドと一人前に交渉し、単なるセールスマンにならないよう気を付けつつ契約を交わしている。
優れたインフルエンサーは、自分のユニークな情報発信の中にブランドの広告を織り交ぜる作業を特に動じる様子もなくこなす。そして、何かあればすぐにフォロワーが離れてしまうことを熟知しているため、投稿内容には細心の注意を払う。
2017年には、こうした大手ブランドとインフルエンサーとのコラボレーションは増加の一途をたどるに違いない。そして、ソーシャルマーケティングが出発点になるとすれば、次に起きるのはソーシャルメディアからソーシャルマーケットプレイスへのシフトになるだろう。