顔や視線を通じたコミュニケーションは全ての脊椎動物に備わった特性だ。この特性は多くの魚類や両生類(特にトカゲ)にも見られ、ほとんどの鳥や哺乳動物にも備わっている。これらの動物同士のコミュニケーションでは、アイコンタクトに加え、頭や口の動きで意思疎通が行なわれる。
多くの脊椎動物は人間の視線を認識し、自分が見られていることを知っている。社会性が発達した犬や狼は、状況に応じて視線に反応する。イヌ化の生き物たちはジロジロ見られることに不快感を表すこともある。ペットの犬の場合は視線をそらそうとするか、場合によっては尻尾をふり、口を開けて舌を出し、何かをねだろうとする。
鳥の場合は視線を向けられた際の反応に様々なものがある。オウムの場合は目はボディーランゲージの重要な一部であり、体の姿勢やクチバシや舌、羽の動きで感情を表す。知らないオウムを見下ろした場合、彼らは不快感を感じて噛み付くかもしれない。フレンドリーに接したい場合は、口を開いて舌を動かしながら見つめると友好のサインとなる。
トカゲの場合もアイコンタクトが不快感を催させる場合がある。大きなオスのイグアナを、頭を上下に揺すりながら上から見下ろした場合、尻尾で強烈なパンチを食らうことになるだろう。
タコやイカなどの無脊椎動物も、研究結果から人間の顔を見分けられることが分かっている。顔を認識できない無脊椎動物の多くも、進化の過程の中で鳥などの外敵から身を守るため、視線を認識する能力を獲得している。