Fakkuはこのほど創業10週年を記念して、マンガの表現の自由を守るNPO、コミック弁護基金(Comic Book Legal Defense Fund)に加入した。
ヘンタイは表現の自由だ
CEOのJacob Gradyは「ヘンタイは表現の自由として認められています。長年にわたりその権利のために戦ってくれたコミック弁護基金のような組織がなければ、Fakku.netで見られるようなコンテンツを提供することはできません。コミックを読んだり描いたりしただけでトラブルに巻き込まれることはあってはなりません」と語る。
同サイトは2015年にサイトの有料化を果たし、月額12ドル95セント(約1,470円)で、日本のクリエーターが描いた無検閲のコミックや漫画が読み放題になっている。
ポルノ漫画の問題は、描かれている対象が成人であるのか判断するのが写真よりも難しいことにある。日本の漫画に登場するキャラクターは大きな目と童顔が特徴だ。日本では陰毛を描くことがタブーとされていることもあり、理解のない機関が児童ポルノと判断することも多々ある。
その典型的な例が、Fakku.netがコミック弁護基金に加入する大きなきっかけにもなった2012年の裁判だ。あるアメリカ人男性が持っていた漫画が児童ポルノにあたると判断され、カナダで起訴されたのだ。コミック弁護基金の支援もあり、最終的にはすべての嫌疑が取り下げられた。
税関はマンガ=ポルノだと思っている
「税関職員の間ではマンガ(manga)という言葉はポルノの隠語と考えられ、注意するべき対象になっています。マンガという表現方法が誤解されているのです」とコミック弁護基金代表のチャールズ・ブラウンスタインは2016年3月に語っている。
ブラウンスタインはFakkuの加入を感謝する声明の中で「残念なことにアダルト漫画の愛好者が起訴されて助けを求めてくることは未だによくあります。そのほとんどは経験豊富な弁護団が裁判になる前に対処するため大々的には報じられません」と説明する。
わいせつ物を取り締まる法律が曖昧なのは有名な事実だ。アメリカでは故ポッター・スチュワート最高裁判事がわいせつ物について「見ればそれと分かる」との見解と共に判決を下したこともあるほどだ。
「アダルトという題材に関する法律が不透明であるにもかかわらず、コミック弁護基金は全面的に漫画業界を支援してきてくれました」とGradyは言う。「アダルト漫画の提供者として、コミック弁護基金の活動を支援することは非常に光栄なことです」