WhatsAppのビデオ通話は暗号化されており、第三者からの傍受を防いでいる。今回のアップデートによって、フェイスブックメッセンジャーやスカイプ、Viberやグーグルハングアウト、Duoといった競合と肩を並べることになる。
WhatsAppは公式ブログで次のように述べている。「人々の暮らしの中には音声通話やテキストのコミュニケーションだけでは物足りないシチュエーションが数多くある。自分の孫が初めて歩き始めた姿を見たい、海外に留学中の娘の笑顔を見たいというような場合だ。我々はビデオ通話を誰にでも利用可能なものにしたかった。WhatsAppのビデオ通話の利用には、ハイスペックなスマホは必要ないし、高速のネット回線が利用可能な先進国に住んでいる必要もない」
情報サイトAndroid Policeの記事によると、WhatsAppは最新のベータ版で二段階認証の仕組みもテスト中だという。先月からチャット内の写真や動画に絵文字のステッカーを貼り付ける機能も実装し、GIFアニメの利用も可能になっている。
ビジネスアカウントの導入も視野に
WhatsAppは2014年、フェイスブックに190億ドル(約2兆円)の現金と株式により買収されて以降、同社傘下で独立企業として存続。買収時に50人だった社員数は200人に増加した。WhatsApp共同創業者のジャン・コウムはロイターの取材に対し、同社のサービスは現在もフェイスブックのサーバで稼働していると答えている。
WhatsAppといえば、今年夏にプライバシーポリシーの変更が議論を呼んだことを思い出す読者もいるかもしれない。この変更でWhatsAppはフェイスブックとの間でユーザーデータの共有を開始し、利用者情報にもとづいたターゲット広告の配信も可能になった。また、WhatsAppの利用情報はフェイスブックのフレンドのリコメンドにも利用されている。
将来的にWhatsAppはサービス内にビジネスアカウントを設置することも検討中だという。それが実現すればWhatsApp内の銀行のアカウントから、不審な入手金履歴を照会する通知が利用者に届いたり、航空会社がフライトの遅延を知らせるようになるかもしれない。プライバシーポリシーの変更は、このような機能の実現を目的として行なわれたのだという。
WhatsAppはコミュニケーションの暗号化を徹底しており、送受信されるメッセージやファイル、音声通話やビデオ通話は安全に保護されている。