米国をはじめ各国で活字メディアの購読者数が減少し、テレビの視聴形態も変化する中、FBは報道機関にとっての重要な情報源となっている。例えば、米ナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)などは、フェイスブックライブで大量のアクセス数を得ている。リスナーだった人たちが、NPRがFB上に投稿するコンテンツを熱心に視聴するようになっているのだ。
しかし、こうした報道機関もまた、消費者にアピールするための一つの方法としてFBを利用する多種多様な企業の一つにすぎない。筆者をはじめとする執筆者や政治家、各地の自治体も行政機関も同様だ。芸能人も、ますますFBをメディア代わりに利用するようになっており、ファンと直接交流する方法、広報活動のツールとして使っている。
ザッカーバーグが、FB上に誤ったニュースが掲載されている事実があるという点に注意する必要があることは言うまでもない。だが、メディアの世界がFBに対し、同社が自らニュースの信頼性に関する問題を解決することや、誤ったニュースを広め得るテクノロジーの力から自らを防御するための行動に出るよう期待することはできない。
それを期待することはちょうど、ギャップが入居しているショッピングモールに対し、ギャップに中国製の商品の取り扱いをやめさせるよう要求するようなものだ。あなたが外国産の商品の販売に反対しようがどうだろうが、ショッピングモール側が気に掛けるのは、ギャップが賃料を払っているかどうかという点だけだ。
もちろん、誤ったニュースは伝えられるべきではない。だが、報道機関が好むと好まざるとに関わらず、自分の意見を主張する権利は誰にでもある。