リアリティー番組「アプレンティス」への出演で自らも華々しいセレブリティとなった不動産王のトランプを正式に支持した著名人は少なく、フォーブスがまとめた今年の「世界で最も稼ぐセレブリティ100人」には一人も含まれていなかった。だがそれでもトランプは、激戦州の多くを制し、過半数の選挙人を獲得した。
トランプ支持派には、俳優のジョン・ヴォイドや、バスケットボール選手のデニス・ロッドマンといった面々がいるが、いずれも収入と人気の面でクリントン派に劣っている。
全米の得票数で勝利したクリントンは、エンターテインメント界を代表するスターの支持と資金力の後ろ盾を得ていた。今年の「最も稼ぐセレブリティ100人」のうち、クリントンに対する支持を公表した人の数は、少なくとも20人に上る。
ケイティ・ペリーは多数の支援イベントに登場。レブロン・ジェームズは地元紙への寄稿でクリントン支持を表明した。ツイッターで4,890万人のフォロワーを持つキム・カーダシアンは、クリントンを支持する理由を綴ったエッセイを公式サイトに掲載した。
セレブリティたちの支持は、大統領選にどれほどの効果をもたらすのだろうか。2008年の大統領選でノースウェスタン大学とメリーランド大学が実施した調査によると、バラク・オバマはオプラ・ウィンフリーの支持を得たことで100万人以上の票を獲得したという。
オプラは今年の選挙を「女性に多大な影響を及ぼす」ものだと呼んでクリントン支持を表明したが、クリントン陣営はこうしたセレブリティパワーをフル活用しても重要州を制することはできなかった。激戦州オハイオでは選挙の数日前にビヨンセとジェイ・Zがパフォーマンスを披露しクリントン支持を訴えたが、同州は結局トランプの手に渡った。