同社の取締役会はすでに新社名を承認。12月13日に行われる株主総会で変更を決議する。同社のジェームズ・デブニー最高経営責任者(CEO)は発表文で、「当社の製品やブランドをより良く反映した社名になる」と述べている。
S&Wは1852年、ホーレス・スミスとダニエル・ウェッソンが設立。拳銃をはじめとする銃器や付属品を製造・販売してきたことで知られる。取り扱う製品の幅を拡充することを目的に企業買収も進めており、今年はサバイバル用品メーカーのほか、レーザーやナイフ・工具のメーカーなどを傘下に収める計画を明らかにした。
ヒラリー勝利は追い風に
米国では銃規制の強化を求める声が高まっており、同社に対する国民の目も厳しさを増している。多様化に向けた同社の一連の努力は、こうした状況の中で進められているものだ。
銃器購入にあたっての身元調査などを厳格化していることを国民に印象付けることは、明らかにS&Wにとっての利益になる。国民の間でのイメージアップを図ることができれば、それも同社にとっては利益となり得るだろう。
同社の株価は年初来27%と大きく上昇している。さらに、11月7日には翌日に控えた米大統領選で民主党のヒラリー・クリントン候補が勝利する可能性が高まったとの観測を受け、株価は前日比2.4%上昇した。(規制に積極的な)クリントン候補が大統領に選ばれれば、S&Wの売上高は短期的に急増することが見込まれるためだ。
S&Wはこのところ、好調な業績を維持している。9月に発表した2017年度第1四半期(5〜7月期)の決算では、利益がほぼ倍増となる3,300万ドル(約34億4,600万円)を記録。売上高は40%増の2億600万ドルとなった。