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世界37カ国、700万人が愛読する経済誌の日本版

ラトビアの首都リガの人口は70万人。ストックホルムに次ぐ北欧第2の都市。

北海道の7割程度の国土に、名古屋市ほどの人々が暮らすラトビア。この小さな国がここ10年で急成長を遂げてきた理由とはー。

フランス・パリの観光名所、ルーブル美術館や、オランダのアムステルダム国立美術館、そしてスペインのプラド美術館ー。世界を代表する美術館で、「ガラスが消えた」と囁かれている。ここで使われている特殊なガラスの技術を提供しているのが、ラトビア共和国のガラスメーカー、グロー・グラス社だ。

光を反射するガラスは、絵画や美術品を鑑賞する際の妨げになる。それだけにグロー・グラス社の反射防止ガラスの需要は大きく、世界中で90秒に1枚の絵画が、同社製のガラスで額装されているという。

では、なぜラトビアでこの技術が育ったのか? 駐日ラトビア共和国大使館のアリナ・アシェチェプコワ商務参事官はこう明かす。

「旧ソ連は、軍事分野はもちろん、宇宙開発や医療分野にも莫大な投資をし、高度な技術開発を進めました。ラトビアは1991年にソ連から独立しましたが、国内には旧ソ連時代に開発した高い技術が残っている。現在はこうした技術の民間利用が進んでいるのです」

旧ソ連時代に発展した産業の中で、特にラトビアの強みとなっているのが製薬業だ。実は、日本で最初の経口投与可能な抗がん剤もラトビア製。さらに世界で初めてWHOの認可を取得した、改変したウィルスを活用した最先端のがん治療法「ヴィロ・セラピー」も60年代にラトビアで開発されたものだ。これは放射線治療や化学治療が困難な皮膚がん、血液のがんへの効果が高いとされている。

こうした旧ソ連の“遺産”に加えて、近年のラトビアではIT企業も高成長を続けている。オープンソースのネットワーク/アプリケーション監視システムのZabbixは日本でも大手通信企業が採用する。通話アプリの「Skype」「WhatsApp」もバルト3国で開発された。NATOのサイバーセキュリティのタスクフォースも同エリアに拠点を構える。さらにラトビアを含む東欧はオフショア開発の拠点としても注目されており、インド企業を脅かす存在となっている。

ラトビアでIT産業が盛り上がる背景には、高速インターネット回線などインフラが整備されていること、法人税が15%と低いこと、世界レベルのインキュベーションセンターを各地に設置するなど政府が積極的に支援していることがある。

「東欧諸国の教育システムは、課題解決型の教育が徹底されており、つまり “考える人材”が多いのです」

旧ソ連から独立して25年。高い技術を持った人材が、新しいラトビアをつくっている。


ラトビア元首相に聞く「進化するフィンテック技術に注目」

欧州委員会のヴァルディス・ドンブロウスキス副委員長は、EU28カ国間の連携を強めるための重要な手段として、フィンテック分野の強化に努めてきた。中でもブロックチェーンの技術は、仮想通貨、コミュニケーションやICTなど幅広い分野で活用できる可能性が指摘される。欧州委員会はタスクフォースを設立、技術革新を後押しする。

「電子決済や電子取引は確実に増えており、ブロックチェーン技術には、大きなポテンシャルがある。欧州委員会はフィンテック分野の発展を支援していく方針だ」


ヴァルディス・ドンブロウスキス◎1971年旧ソ連時代にラトビアの首都、リガに生まれる。リガ工科大学卒業(物理学修士)。2002年ラトビア財務大臣(〜04年)、09年ラトビア首相(〜14年)を歴任。14年から欧州委員会副委員長(ユーロ・社会的対話および金融安定・金融サービス・資本市場同盟担当)。45歳。

文=Forbes JAPAN編集部

 

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