そんな中、筆者が気になっているのがEscape Homes社が最近売り出したVistaという名のトレーラーハウス式タイニーハウスだ。従来のトレーラーハウスの狭苦しいイメージとは異なり、大きな窓に包まれた内部は開放感たっぷり。フィリップ・ジョンソンの「ガラスの家」(1949年)といった名作住宅の15㎡バージョンとも言える家なのである。価格は約4万6,000ドル(約470万円)から。
筆者が人生で初めて「これなら暮らせる」と思ったこの美しいタイニーハウスは、果たしてどのように設計されたのか? Escape Homes創業者のダン・ドブロウォルスキーに話を聞いた。
驚くほど広々とした室内を実現
「巷で見かけるタイニーハウスは人や物がぎゅうぎゅうに詰め込まれ、息苦しくなるような家ばかりだ。Escape Homesが作るタイニーハウスの特徴は、窓から光がたっぷり入り、風通しも良く開放的で、ベッドからテーブル、キッチン、浴室まで家具や設備はすべてフルサイズであること。Vistaの中に入った人から一番よく聞くのは、『驚くほど広々としている』というコメントだ」
採光にこだわった超軽量特殊ガラス
「多くのタイニーハウスには、きちんとした窓がなく家全体が廊下のように暗い。その点、ガラス窓に包まれたVistaは、世界に向かって開かれている。これまで移動させた距離は1万キロを超えるが、ガラスに関するトラブルは皆無だ。使用しているガラスは、アルゴンガス入りLow-E複層ガラス。断熱材にはR値(熱抵抗値)が高い独立気泡フォームを使っており、気密性も抜群だ。またこの断熱材は超軽量でありながら、建物を強力に支える」