中国の経済誌「財新」によると8月末、上海の婚姻登記所には離婚を求める夫婦の長い列ができたという。上海に複数ある婚姻登記所の一つに勤める職員は財新に対し、「ふだん離婚申請は1日に10件もないが、8月30日だけで108組が離婚手続きに来た」と述べた。
中国の住宅購入ルールは世帯単位で適用され、離婚すればそれが偽装であっても夫婦は2世帯とカウントされる。現地ソーシャルメディアでは、9月1日以降に離婚すると、その後最低1年間は別世帯として扱われなくなるという噂が、8月下旬から流れ始めた。
上海の住宅市場を監督する上海住建委員会は8月29日に噂を否定。この噂は結局デマでしかなかったが、人々の行動は止まらなかった。
上海の不動産業者によると、8月22日から28日の住宅販売件数は前週比でほぼ倍増、1平方メートル当たりの価格は5.6%上昇し、約6,530ドル(約66万円)になった。
上海の住宅購入規制は他都市に比べて厳しい。今年3月に導入された新ルールでは、2軒目の住宅購入時の頭金比率が従来の3割から、5割から7割に引き上げられた。また、上海の戸籍を持たない場合、5年以上同市に定住していることを証明できる市民しか住宅を購入できなくなった。