テクノロジー

2016.09.14 15:00

自動運転「エンジニア育成学校」が開設 卒業後はベンツに勤務の道も

グーグルの自動運転車 photo by San Jose Mercury News / gettyimages

グーグルの自動運転車 photo by San Jose Mercury News / gettyimages

かつてグーグルで自動運転車の開発責任者を務めたセバスチャン・スランは、メルセデス・ベンツやNvidiaらと連携し、自動運転向けテクノロジーを開発するエンジニアの育成を開始した。

スランがグーグルを退職後、2012年に立ち上げたオンライン教育プラットフォームUdacityは、自動運転関連テクノロジーの習得コースを新たに設置した。ウーバーが買収した自動運転トラックを開発する企業のOttoや、中国の滴滴出行らもこのプログラムに参加する。

「自動運転に関わるテクノロジーは急速な発展を遂げており、世界中のテック企業や自動車メーカーらがその可能性を探っている。ここで重要なのは人材の育成です」とスランはブログの投稿で述べた。

今回のUdacityの教育プログラムは有料で運営され、12週間の講義を3コース用意。費用は1コースあたり800ドルだ。授業内容はディープラーニングやコンピュータービジョン、センサーフュージョン(複数のセンサーの情報を統合処理する技術)、ローカライゼーション、コントローラーと多岐に渡り、「受講生らが書いたコードで自分の“Udacityカー”を走行させること」をゴールとする。

受講料800ドル。メルセデスに採用の道も

Udacityは9月13日から受講の申し込み受付を開始し、合格者らには10月に通知が届く。

メルセデス・ベンツやNvidia、Otto等の企業は講義内容が業界のニーズに沿ったものになるよう助言を与え、この講座の卒業生の採用も視野に入れている。

メルセデス社でシリコンバレーの研究所長を務めるAxel Gernは「今回の取り組みにより、自動運転の未来を切り拓く人材の育成が進むことを期待しています」と述べた。

セバスチャン・スランはグーグルで最初の自動運転部門のチーフを務めた人物。スタンフォード大学とカーネギーメロン大学で研究を行なった後、2009年にグーグルに採用。自動運転や衝突回避テクノロジーの開発を統括した。その後は彼の後任のロボット工学研究者、クリス・アームスンがこの部門を引き継いだが、アームスンも今年7月にグーグルを退社している。

グーグルでは昨年9月から自動車業界出身のジョン・クラフチック(John Krafcik)が自動運転部門の責任者を努め、この技術の商用化を進めていると伝えられているが、詳細なプランは明かされていない。その一方、ウーバーやフォードといった企業らが、早期に自動運転車を市場に投入する意志を表明している。

「自動運転車が現実のものになれば、人々の移動や物流等に革命的変化が訪れます。これを現実のものとするためには、あらゆる分野から適切な人材や投資家、それを支援する人々を呼び寄せることが必要なのです」と、スランは声明で述べている。

編集=上田裕資

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