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2016.09.06 15:00

通常品とそっくりで紛らわしい、米「スマートスナック」の実態

Christian Draghici / shutterstock

子どもの肥満問題を扱う医学雑誌チャイルドフッド・オビーシティー(Childhood Obesity)に発表された研究報告によると、各ジャンクフードメーカーは米国内の学校で“紛らわしい”スマートスナック(健康的なおやつ)を販売し、子どもや親たちを意図的にだましている可能性がある。

これらのスナックは、ドリトスやポップタルト(タルト生地に甘いフィリングが挟まっているもの)といった菓子類の“ややヘルシー版”で、学校でのみ販売している。だがパッケージは、一般の店舗で販売されている“より不健康バージョン”とそっくりなのだ。

典型的なスマートスナックは、商品の糖分、塩分や脂肪分をより少なくし、たんぱく質や全粒の穀物の含有量を増やしたもの。カロリーも通常版の商品より低くしているものが多い。

研究を実施したコネチカット大学ラッドセンターの研究員で報告書の筆頭著者であるジェニファー・ハリス博士は「子どもたちは、学校で買えるスマートスナックが、市販品と同一のものだと考えている」と指摘する。

紛らわしいパッケージは、マーケティングツールとしてきわめて優れた効果を発揮するとハリスは続ける。「これらの商品を学校で販売することで、各メーカーは同時に、より不健康な商品を毎日、子どもたちに売り込んでいるのだ」

スマートスナックの基準は2010年、飢えと肥満のない子どものための法(HHFKA)の成立を受けて導入された。これで“学校でのおやつ”が、栄養調整を行ったジャンクフードではなく、新鮮な果物や野菜、低脂肪の乳製品や栄養豊富な全粒粉を使った食品に変わることが期待された。だが食品業界は、法律の趣旨よりも基準を満たすために、商品の栄養成分を“微調整”する方法を取った。

それだけではない。研究によれば、学校内の売店やカフェ、自動販売機で販売されているスマートスナックは、より不健康な通常商品と「ほぼ区別がつかない」。そのため子どもたちは、スマート版と通常版は同一の商品だと考えるようになるのだ。
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編集=森 美歩

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