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2016.08.27 19:00

大麻業界への投資、関心は高いが大口投資家の確保には苦労

a katz / shutterstock

初期の投資に対するリターンの大きさに期待して、多くの投資家が大麻業界に投資を行っているようだ。

ニューヨークに本社を置くトゥアタラ・キャピタル(Tuatara Capital)では8月上旬、未公開株式投資ファンドで、当初の目標額である8,000万ドル(約80億円)を大幅に上回る9,300万ドル(約93億1,000万円)を調達した。

これはプライベティア・ホールディングス(Privateer Holdings)が調達した、これまでの最高額である7,500万ドル(約75億円)を上回る金額だ。とはいえ、資金の調達は簡単なことではない。

「投資家たちは、大麻業界について知りたいという強い欲求を持っている」と、トゥアタラ・キャピタルのマーク・リースカCOOは言う。だが投資家たちは、会って話をすることには積極的でも「実際に彼らに資金を提供してもらえるかどうかは、また別の問題だ」とも指摘する。

さらにリースカは「トゥアタラでは、難しさを十分に考慮した上で、大麻業界における資金調達を実施した」と続ける。もちろん一番の障壁は、投資を促す対象企業が、連邦法に違反する業界に属していることだ。

米麻薬取締局(DEA)が先日、連邦法における大麻の分類を(医療目的での使用を認める「スケジュール2」へと)再分類するよう求める連邦議会の請願を退けたことも、資金調達の取り組みにとっては打撃だ。

リースカによれば「投資家たちとの会話の大部分を占めたのが、投資についての秘密厳守をめぐる問題だった。一部の投資家は、自分の会社のコンプライアンス部門に知られることを懸念していた」。リースカとトゥアタラのパートナーたちは顧客に対し、名前が公表されることはないと説得した。

大口投資家の確保には労力を要したが、投資先企業を見つけるのは簡単だった。トゥアタラが資金を調達したという情報が大麻業界に流れると、すぐに電話が鳴り始めたのだ。

トゥアタラでは、消費者向け小売り、栽培、加工(抽出)、研究・実験という大麻業界の4つの事業部門に投資を行う予定だ。「研究と実験は私たちを最もワクワクさせてくれる部門であり、最初に投下資金を回収できるのもこの部門だろうと考えている」とリースカ。調達資金は3年から3年半をかけて投下されていくと予想している。

一般に未公開株投資会社の投資家たちは、約5~7年後のリターンの分配を期待しているが、トゥアタラではそれよりもっと早い段階でリターンを分配できると確信している。一部の投資家は2年半から3年後に、そのほかの投資家でも4年から5年で分配を得ることになるだろう。

魅力的、と感じる投資家もいるだろう。だがトゥアタラが次の資金調達を行えるのは2年後だ。

一方、メッドメン・オポチュニティー・ファンド(MedMen Opportunity Fund)は6月末に、未公開株式投資ファンドの立ち上げを発表。目標額は1億ドル(約100億円)で、2017年第1四半期までに達成したい考えだ。達成されれば、今度は同ファンドが大麻業界への投資資金の最高金額を更新することになる。

編集=森 美歩

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