「つなぐ」ことにとどまらないサービスを展開
「自動車と消費者」ではなく「トラックと事業者」に焦点を絞ったことについてアーランドCEOは、明言を避けながらもAT&Tを引き合いに出し、「接続された車の数を重視する企業もある。だが、私たちはこれから、車両をつないでいきたい。当社の既存のネットワークを活用することができるほか、利益率も高いビジネスだ」と述べた。
また、この方針は同社が車両をつないでいくことにはとどまらない。ベライゾン全体においても現在、変革と新たな収入源の確立に向けた努力が進められており、テレマティクスの2社買収は、そうした方針と歩調を合わせたものだという。
さらに同CEOは、「同業他社とは異なり、私たちは車をつなぐことだけを目標に掲げたことはない。それは、当社が最終的に目指すものではない」と明言した。
これまで主に注目を集めてきたのは乗用車をつなぐことだった一方で、車両追跡であれ自動運転車であれ、トラック輸送と車両管理ビジネスを潜在的に高い利益を見込める分野であり、交通の分野におけるイノベーションを主導するものだとみる向きは多い。
他方では、トラック輸送・物流業界は、今後の混乱が予想される分野だと指摘する声もある。例えば、市場調査会社フロスト&サリバンは最近の調査で、現在の約264億ドル規模のトラック輸送事業は、2025年には携帯電話を使った貨物輸送サービスに取って代わられると予想している。
アーランドCEOはこうした状況について、買収した両社は共に、重要性をますます高めている長距離輸送を得意としている企業だと発言。「今回の2社買収で、当社は勝利を収めることが可能な位置に付けた」との見解を示している。