Vinomofoはワインマニアたちのパワーを結集し、プレミアムワインを低価格で販売するビジネスモデルを作りあげた。販売するのは会員たちが推薦し、味を確かめたワインに限定している。
3ケース以上買うと配送料が無料というのも魅力だ。1年以内なら返品も可能だし、適切なワインを選ぶのに役立つ、徹底したカスタマーサービスも顧客を惹きつける要素となっている。
Vinomofoは過去2年、年間100%の成長率を示しており、今年の売り上げは5000万ドルを超えるとみられている。会員数は40万人以上で、これまでに650万本以上のワインを販売している。メンバーは一人当たり平均年5回以上購入しているという。
来年は米英ほか全5ヶ国で世界展開
もちろん成功は一夜にして訪れたわけではない。創業者であるアンドリュー・エイクメイアとジャスティン・ドライは2006年にワイン愛好家をターゲットにしたコミュニティサイトを立ち上げた。熱狂的なフォロワーは多く集まったが、ビジネスとしては厳しかった。ワイナリーはそこで評価されたからといってお金を払ってくれるわけではなかったからだ。
2010年に彼らは、割引価格や限定クーポンを売りにしたワインの小売りに方向転換した。多くのワイン販売実績を持つ大手スーパーのコールスやウォールワースなどと張り合うためには、迅速な手を打つことが必要だった。顧客を獲得するため、大手オンライン販売サイトのCatch of the Dayに株を70%譲渡したが、あまりうまくいかなかった。2013年にふたりは何人かの個人投資家とともに株を買い戻した。
当初、Vinomofoは世界最大のワイン消費国である中国市場を狙っていたが、それにはかなりの冒険を伴うと判断した。国内市場に重点を置くように方向転換し、グローバル戦略は無理のない形で展開することにした。オーストラリア市場と性格が似た、参入障壁が高くない国にまず進出し、中国は最後にすることにしたのだ。
「このマーケットでは誰かが市場を独占しているという訳ではありません。米国のwine.comもグローバルで成功しているとは言えません」とエイクメイアは語る。
Vinomofoは今後1年間でアメリカ、イギリス、ニュージーランド、シンガポール、香港に進出することを決めた。中国市場への参入の準備も整えている。
限定セレクトのワインを24時間だけ販売するというやり方で、市場のニーズを探る。サプライチェーンを確保し消費者により良いワインを届けることがカギだとエイクメイアは確信している。
Vinomofoのやり方は創立者たちの堅実なオーストラリア人気質を反映していると言えるだろう。彼らはワインを心から愛し、世界中の人々がワインと恋に落ちることを願っている。