AtlassianはIPOにより4億6,000万ドル(約556億円)を調達。終値は32%上昇、時価総額は58億ドルとなった。これは後に続く豪州市場のスタートアップ企業にとって突破口となるものだ。こうした事態は、米国から中国、そしてインドでも増えつつあるなど、すべての主要なスタートアップ市場で起きている。
Atlassianが当初、シリコンバレーを拠点とするアクセルパートナーズの支援を受けていたという事実も、ますます注目を集めることにつながった。豪州のスタートアップ企業でこのようなことを成し遂げているのはごく一握りの企業であり、おそらく近年米国で上場した豪州のスタートアップ企業はないように思う。豪州のスタートアップ企業による大型上場としては、2013年に豪州で上場したFreelancer.comが最後だった。
私がAtlassianについて初めてフォーブスに記事を書いたのは2013年のことだった。当時は5年連続で年率38%という驚異的な成長率を記録し、2010年にアクセルから2002年の創業以来初の資金調達(6,000万ドル)を行ったことに触れている。
私は2013年、共同創業者のMike Cannon-Brookesへのインタビューをシドニー中心部にある彼のオフィスで行い、そのとき既に同社がより大きなことを成し遂げる運命にあることを知った。その頃の売上高は1億ドルだったが、現時の売上高は3億2,000万ドルを超える。
Atlassianは、多くの豪州(とニュージーランド)のスタートアップ企業にならい、より大きな市場である米国への道を選んだ。同社は2005年と非常に早い時期にサンフランシスコにオフィスを開設。その後2014年にはオースティンにも進出した。オーストラレーシアの遠隔性と市場の小ささは、スタートアップ企業に急速な革新性をもたらすと共に、スケールを求めるため国境を越えることを視野に入れる必要を示している。
より多くの豪州のスタートアップ企業が、Atlassianによる国際的な冒険の後を追うだろう。そして事実、多くの企業が既に追い始めている。急速に取引を増やしているスタートアップ企業の中には、Canva、Shoes of Prey、Bluedot Innovation、Tom Organicなどがある。
アクセルは豪州でさらなる成功の可能性を模索するだろう。そして既にオンラインFX企業のOzForexに4,000万ドル、メルボルン郊外に拠点を置くクラウドベースのグラフィックデザインサイト99 Designsに3,500万ドルと、現地で2件の投資を行っている。
これはまた、豪州スタートアップ企業の隆盛に向けた良い傾向と言える。豪州ベンチャーキャピタル市場の規模は2015年度、わずか2億2,400万豪ドルだった。市場規模は前年度から縮小したが、2012年と2013年の中間ほどの水準となっている。