それは採用プロセスに問題があると私は思う。製品の開発やマーケティング担当者が市場の声に耳を傾けなければならないように、採用担当者も市場の声に耳を傾けるべきではないだろうか。求人をかける職種について、どの程度の給与を支払えばどの程度の経験と教養のある才能を“買える”のかを知るべきだ。
人事担当者たちは現実を見るべきなのに、それができていないことが多すぎる。求人広告を出してから30~45日以内に適した候補者が見つからない場合は、その仕事内容や給与の設定がまずかったことを意味している。となれば、人事担当者はその条件設定が非現実的なものだったことを認識すべきだ。
求職者たちが15もの資格を持っていることはないし、実際持っている必要もない。経験と頭脳と心、それこそが、採用担当者たちが求めているものだ。だが、学位や経験が1つでも多い候補者こそより良い従業員になると思い込んでいる人が多い。それは間違いだ。
求人広告に応募して仕事を得る上で、あるいはそこで求められる成果を出す上で、その広告に挙げられている全ての条件を満たしている必要はない。少なくとも35%の条件を満たしていればいいのだ。
履歴書や応募書類を自動処理型の求人サイトに送信するやり方では駄目だ。こうしたシステムはキーワード検索の結果に依存しているため、求人広告にあるほとんど全ての条件を満たしていない限り、選ばれることはない。
書類審査では通らないような仕事を手に入れるには、異なるアプローチをとる必要がある。採用担当者に、あなたの人間性がにじみ出るような経歴書とともに、ペインレターを郵送するのだ。
ペインレターとは「その企業の問題点を解決できるのは自分である」とアピールするもので、カバーレターとは違う。求人広告の裏に潜んでいる企業の課題に言及し、採用担当者に直接訴えかけるものだ。
採用担当者の中には、ペインレターを読まない人や、読んでもゴミ箱に捨ててしまう人もいる。だが中には、読んで電話をかけてくる採用担当者もいるはずだ。そこで面接やお茶に誘ってくれば、あなたの狙いは当たったことになる。