初めてランク入りしたビリオネアたちの資産額は平均17億ドル(約1,940億円)。全員の資産を合わせると、総額3,441億ドル(39.2兆円)だった。
この人たちの中で、最も高い順位に付けたのはウードオ・チラとハラルド・チラの兄弟。ビジネス管理ソフト最大手SAPの創業者5人のうちのひとりである父親クラウス・チラの死後、同氏が保有していた株式を相続した。
このほか、大企業の経営者からの相続によって初めて名前が挙がったのは、イタリアの高級スポーツカーメーカー、フェラーリの創業者エンツォ・フェラーリの後継者であるピエロ・フェラーリと、米化粧品大手エスティ―ローダーの5代目の経営者となったウィリアム・ローダー。
このほか、スウェーデンの家具小売チェーン、イケアの創業者である父イングヴァル・カンプラードから事業を受け継ぎ、それぞれ10億ドルの資産を相続したヨナス、マティアス、ペーターの兄弟3人となっている。
相続のみによってランキングに入った人は、198人のうちわずか16%だった。70%以上が、自ら事業を立ち上げ、財を築いた人たちだ。残る約13%は、受け継いだ財産を基に積極的な事業を展開、資産を増やしている。
業界別では中国製造業が最多
198人のうちそれぞれ11%が、テクノロジー業界と不動産業界に携わっている。
香港の周群飛(ジョウ・チュンフェイ)は、女性起業家で最も高い順位に入った。資産額は59億ドル。中国地方部の貧しい家に生まれた周は、自社レンズ・テクノロジー(藍思科技)株の88%を保有。同社が2015年5月に深圳証券取引所に上場を果たしたことで、資産を大きく増やした。また、今回は周をはじめ、女性27人が新たにランキングに加わっている。
このほか、画像共有SNSのピンタレスト(Pinterest)を創業したいずれも33歳のベン・シルバーマンとエバン・シャープ、元アマゾン従業員でインのECサイト最大手、フリップカート(Flipkart)共同創業者のビニー・バンサル、サチン・バンサル(同じ名字だが血縁関係はない)などがいる。個人向けドローン製造の中国最大手、JDI創業者のフランク・ワンとルー・ディー、スウィフト・シーもランク入りした。
不動産業界からは、オフィススペースのレンタル事業を手掛けるスタートアップのウィーワーク(WeWork)の共同創業者、イスラエル生まれのアダム・ニューマン、ドバイを拠点とする高級不動産開発のダマック・プロパティーズを運営するフセイン・サジワニがビリオネアに加わった。
新顔が最も多かったのは製造業で、39人が新たに名を連ねた。その大半は中国出身者だった。
(初めてランク入りした中国人については、下記リンクから閲覧が可能)
ビリオネアリスト2016、新顔は中国人が最多