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大連万達集団(ワンダ・グループ)の会長である王健林(ワン・ジエンリン) (Photo by ChinaFotoPress/ChinaFotoPress via Getty Images)

中国一の富豪、大連万達集団(ワンダ・グループ)の王健林(ワン・ジエンリン、61)にとって、2015年は大きな勝利を収めた年だった。3月1日にフォーブスが発表した2016年版の世界長者番付では18位となり、中国本土出身の富豪として、初めてトップ20入りを果たした。資産額は287億ドル(約3.27兆円)。20位の香港の李嘉誠(リ・カシン)を下して、アジア最大の富豪となった。

王は2012年、米映画館チェーンAMCエンターテインメントを26億ドル(約2,970億円)で買収した後、国外での事業を着々と拡大。世界的な勢力拡大という中国の野心を現実のものにしてきた。わずか30年ほど前には、中国は世界最貧国のひとつだった。

王はまた、これまで「世界の工場」と呼ばれてきた中国がここ数年でいかに成長を遂げ、映画からスポーツまでさまざまなジャンルで巨額の富を稼ぎ出す娯楽分野で、いかに勢いを増してきたかを例証する存在でもある。

四川省の貧しい家庭に育った王は約16年の軍歴を持ち、1986年に退役した後には、大連市の役人の職に就いた。これが、その後同市で不動産事業を興すきっかけとなった。1992年に大連万達集団を創業(「万達」は多くの成功、の意味)。その後、事業の拡大を続け、傘下の大連万達商業地産は現在、世界最大の不動産開発会社のひとつになっている。

さらなる躍進を視野に、王は2013年9月、総額約80億ドル(約9,140億円)をかけて中国東部の山東省青海に「中国版ハリウッド」を建設する計画を発表。同施設の起工式には、米俳優のジョン・トラボルタやレオナルド・ディカプリオを招いた。そして2015年、万達はオーストラリアとニュージーランドで映画館チェーンを運営するホイッツ(Hoyts)も傘下に収めた。

2016年1月にはハリウッドの映画製作会社レジェンダリー・エンターテインメントを35億ドルで買収したと発表。これは、中国企業による文化産業関連の外国企業の買収としては、過去最大の規模となる。

王はこのほか、2015年にはハーバード・ビジネス・スクールで講演を行ったほか、先ごろ発表した33億ドル規模のパリの大型複合施設の建設事業に関連して、フランスのオランド大統領とも会談するなどしている。

他の中国人経営者との違いは──?

王と万達をこのように事業に駆り立てるのは、一体何なのだろうか?

バージニア大学ダーデンスクールの陈明哲(Ming-Jer Chen)教授は2013年、フォーブスが中国人富豪ランキングを発表した際のインタビューで、「文化と戦略、実行を完全に統合したひとつのものとして捉えている点が、王をほかの経営者たちと一線を画する存在にしている。そして、王自身と万達の成功を可能にしている」と答えた。

教授はさらに、「世界的には、王は中国の白物家電メーカー、青島海爾(ハイアール)の張瑞敏(チャン・ルエミン)などのようには知られていないかもしれない。だが、その状況も近い将来に変わる可能性がある」と述べていた。

編集 = 木内涼子

 

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