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JuliusKielaitis / Shutterstock

米エクソンモービルが、およそ10年にわたって続けてきた自社株買いを中止したことが明らかになった。新たな買収を計画中である可能性が浮上している。2014年に積極的に自社株買いをしていたのなら本来、株価が25%下がった今こそ、さらに買い増してもおかしくない。その上、原油価格の動向にかかわらず投資を継続するというのがエクソンだ。2015年にも大型プロジェクト6件を手がけ、日産量を30万バレル追加した。自社株買いをやめたのは、自社以上に割安になった他社の株式を取得しようとしているからだと考えるのが妥当だ。エクソンの2015年第4四半期末時点での手持ち現金が「わずか」37億ドルであることからみて、同社は株式交換での買収を検討している可能性が高いとみられる。

買収相手の候補は誰なのだろうか。時価総額3,180億ドルの同社にとって、選択肢は豊富にある。独立系石油・天然ガス大手の米アナダルコ・ペトロリアムは以前から、エクソンが狙いを定めている同業他社とうわさされてきた。アナダルコ株は65%下落、時価総額は190億ドル余りとなっている。

また、いずれも米企業のオクシデンタル・ペトロリウム、コノコフィリップス、アパッチの時価総額はそれぞれおよそ、510億ドル、470億ドル、150億ドルとなっている。さらに時価総額が下落している同業他社もある。マラソン・オイルは65億ドル、デボン・エナジーは110億ドルとなっている(各社の時価総額はいずれも2月月初時点)。

もちろん、買収相手の負債はエクソンが引き受けることになるが、同社にとってはそれも大きな問題ではない。エクソンの負債残高は380億ドルで、その他の石油会社に比べれば低水準だ。

ロイターによると、エクソンは2015年に40億ドル(約4,580億円)相当の自社株買いを実施。過去10年間に、毎年平均200億ドル規模の自社株買いを続けた。原油価格が史上最高値を付けた2008年には、最も多い350億ドル相当の株式を買い戻している。一見、今回の自社株買いの中止は、合理的な決定にもみえる。石油業界の業績が低迷するなか、エクソンは単に現金を確保しておきたいのかもしれない。同社は今年、設備投資を80億ドル削減する計画も掲げている。

石油業界では、1998年にBPがアモコを480億ドルで、エクソンが750億ドルでモービルを買収して以来、大規模な合併・買収は行われていなかった。しかし、英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェルが先ごろ、英BGグループを520億ドルで買収する計画を発表している。

エクソンは自社株買いの中止によって市場に向け、自らが新たな取引への準備を整えていることをアピールしているのだろう。

編集 = 木内涼子

 

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